ユーリ阿久井政悟、世界ランカー倒して被災地に元気届ける。２８日に地元岡山で挑戦

　故郷岡山などの西日本豪雨災害からの復興を訴える日本フライ級（５０・８キロ以下）５位・ユーリ阿久井政悟（２３）＝倉敷守安＝が１５日、初の世界ランカー戦となるＷＢＡ同級１１位・ジェイセヴェー・アブシード（２３）＝フィリピン＝戦（２８日・サントピア岡山総社）へ向け、神戸市内で練習を公開した。

　２度の世界挑戦経験をもつ帝里木下（３２）＝千里馬神戸＝と３ラウンドのスパーリング。サウスポーの帝里に度々、鋭い右ストレートを放り込み、同じ左構えのアブシード打倒へ好調ぶりを見せた。

　死者が２００人を超えるなど甚大な被害をもたらした今夏の豪雨。倉敷市内の家族や自宅は無事だったという阿久井だが「とても人ごととは思えない。岡山県民、倉敷市民として、試合を通じて元気を届けたい。勝って世界ランキング入りする」と意気込む。プロモートする倉敷守安ジムは試合当日、罹災証明書を持参した人は入場半額としている。

　リングネームのユーリは、阿久井が元ＷＢＣ世界フライ級王者・勇利アルバチャコフ氏（５１）に似ていることから「先輩に名付けられた」という。かつて世界王座を９度防衛した勇利氏の試合映像を参考にしている阿久井は「あんな一瞬で斬る右ストレートを打ちたい」と日々の練習に集中。地元で格上選手を破り、世界戦線へと名乗り出る。

　◆ユーリ阿久井政悟（ゆーり・あくい・せいご）１９９５年９月３日、岡山・倉敷市生まれ、２３歳。元プロボクサーの父・一彦氏、叔父・赤沢貴之氏の影響で中学２年から倉敷守安ジムでボクシングを始める。倉敷翠松高２、３年で国体８強、２年時は現ＷＢＯ世界フライ級王者・田中恒成（当時、中京高）に敗れた。環太平洋大体育学部在学中の１４年４月、プロデビュー。１５年度ライトフライ級全日本新人王。身長１６３センチの右ボクサーファイター。プロ通算成績は１２勝（８ＫＯ）１敗１分け。