村田諒太「判定狙い」挑戦者倒す!…20日V2戦「圧力かけてパンチ打ち込む」

スポーツ報知
練習を公開した村田が現地メディアの取材に応じ笑顔を見せる

◆プロボクシング世界戦 WBA世界ミドル級タイトルマッチ 王者・村田諒太―同級3位・ロブ・ブラント(20日、米ネバダ州ラスベガス・パークシアター)

 【ラスベガス(米国)17日=浜田洋平】WBA世界ミドル級王者・村田諒太が、挑戦者を仕留めにかかる。同級3位ロブ・ブラントとの2度目の防衛戦に向け、現地のトップランクジムで練習を公開。先に練習を公開した相手は判定勝ちを目指すことを宣言したが、王者はガードを固めた得意の形で圧力をかけ、KO勝利をつかむ構えをみせた。

 村田は挑戦者を逃がさない。「判定までいって勝つことを目指している」と断言したブラント。23勝で16KOと力はあるが「(KOは)流れの中でチャンスがあれば」と言うにとどめた。一方、直後に同じ会場で練習を公開した村田は、「圧力をかけてパンチを打ち込んで、それが通用するかどうか。距離を取りたがるでしょうし、詰めて打てるか」と相手をつかまえる展開を思い描いた。

 強くガードを固めながらロープに追い込み、重いパンチを浴びせるのが村田の必勝パターン。素早いフットワークとハンドスピードが武器の相手にポイントを取られないためにも、自分の形を貫かなければならない。この日は練習会場で入れ違った際にブラントと顔を合わせ、軽く笑みを浮かべあいさつ。身長183センチの自分に対し、相手は公称182センチより小さく見え「肩幅も思ったよりなかったかな。僕よりサイズが小さい」と体格差もプラスに働きそうだ。

 前日まで同じ帝拳ジム所属の元世界3階級制覇ホルヘ・リナレス(33)=ベネズエラ=のプライベートジムで練習。「そっくり」と鏡や窓、リングの位置、腹筋の際に足を押さえる棒の位置までもが、慣れ親しんだ日本の所属ジムと酷似した環境だった。汗が出やすいように暖房や湿度の調整をしてもらい「男でもホレちゃうんじゃないかというくらい気が利く男。日本と同じようにできて助かった」と感謝した。

 練習会場では2013年8月のプロデビュー前も合宿。本場・ラスベガスでメインイベントを務めることに「夢に描いたものの一つ。ここに来ていろいろ思い出す。感慨深い」と歩みを振り返った。培った技術、努力を重ねた時間がV2を支えるはずだ。

 ◆ブラント テキサス州在住だが、元WBA世界ライトヘビー級王者エディ・ムスタファ・ムハマド氏からトレーナーとして指導を受けるため、同氏のいるラスベガスで2か月間の合宿を敢行。「村田は左ジャブと右ストレートがうまい。基本に忠実なボクサー」と警戒し「状態がいいので12ラウンドいける」と判定狙いを口にした。「自分の方が身体能力は上」と豪語したことに、村田は「俺、結構走るの速いんだけどな」と肩をすくめていた。

 リナレスは村田の後半KOを予想した。「5回以降に何かがある。村田は焦らず、ブラントをじっくりと見ていくべきだ」と滑らかな日本語で解説した。

 ブラントを「やはり素晴らしい選手で、村田の相手では最も高いレベルにある」と評し、速さを生かしたアウトボクシングで挑んでくると分析。その上で「相手の方が動くので、6回から圧力をかけた方がいい。7、8回にはKOできる」と太鼓判を押した。

 現地入り後の村田から変化も感じ取った。「バックステップがうまくなった。相手は速いから、ジャブを出したらどんどん来るが、村田は下がる練習もしている」。リナレスは2007年7月のフェザー級での世界初挑戦の地がラスベガス。「村田はモチベーションが高い。ベガスだからね。勝ったら村田は変わる。考え方が変わる。勝てば、より上に行けるよ」と期待した。

スポーツ

×