【飛翔・村田inラスベガス】王者乱立の状態が反骨心呼んだ

スポーツ報知
村田諒太

◆プロボクシング世界戦 WBA世界ミドル級タイトルマッチ 王者・村田諒太―同級3位・ロブ・ブラント(10月20日、米ネバダ州ラスベガス・パークシアター)

 WBAミドル級の正規(レギュラー)王者・村田は、複雑な胸中を明かした。プロボクシングはWBAの他にWBC、WBO、IBFと主要4団体で構成。WBAは正規王座の上に、長期防衛など実績が認められ昇格するスーパー王座が存在する階級もある。王者負傷などで試合が困難な場合、新たに暫定王座をランカー同士が奪い合う。誰が強いのか―。王者乱立の現状が、村田の反骨心につながる。

 ミドル級はWBAスーパー、WBC世界王者のサウル“カネロ”アルバレス(メキシコ)、元3団体統一王者のゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)らスターぞろい。「米国で自分がどうとか聞かれ『WBAのレギュラーなの? ふ~ん。カネロ、ゴロフキンと違うだろ。あいつらがトップだろ』と思われたら(反骨心を)抱く。第1、第2、第3の男でなくても、次くらいだと。自分の立場を見ると、やっぱり抱きますよね」(村田)。

 思えば、アマチュア時代も反骨心が力になった。金メダルに輝いた2012年ロンドン五輪の2年前。10年アジア大会で日本代表から外れた。「悔しかったのを覚えている。何で選ばれなかったのか。(08年)北京五輪出場者とか有望な人がいっぱいいたので、その時の基準があったけど」。悔しさにまみれた状況で腕を磨いた。そして11年世界選手権(バクー)で日本勢過去最高の銀メダル。「ほら見たことかと。あの時(アジア大会)にも選んでおけばメダルが1つ増えていた」。そして、ロンドン五輪で日本人48年ぶり2人目の快挙。結果で存在を証明してきた。

 反骨心はモチベーションの一つ。「証明しないといけないものがある」。今が頂点ではない。強く握る拳が熱を帯びた。

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