【飛翔・村田inラスベガス】KO狙いの先にある、第2の「西岡VSドネア」

スポーツ報知
11年、ラファエル・マルケス(左)戦の公開計量を終え笑顔でにらみ合う王者・西岡利晃

 ◆プロボクシング世界戦 WBA世界ミドル級タイトルマッチ 王者・村田諒太―同級3位・ロブ・ブラント(20日、米ネバダ州ラスベガス・パークシアター)

 2011年10月、WBC世界スーパーバンタム級チャンピオンだった西岡利晃氏(42)が、日本人王者として初めてラスベガスでの防衛戦に臨んだ。元世界2階級制覇のマルケス(メキシコ)を挑戦者に迎えたV7戦。「ずっと目標にしていた場所。プレッシャーはなくて、楽しみで仕方なかった」と懐かしそうに振り返った。

 08年9月に5度目の世界挑戦で戴冠すると、09年5月の2度目の防衛戦では、敵地で強豪のゴンサレス(メキシコ)に3回TKO勝ち。「場所を問わず、勝利を積み重ねたからこそ、ベガスのリングに立てた」と明かした。

 マルケス戦の最終12回。判定でも勝利は堅いかに見えたが、西岡氏は倒しにかかった。強打者との危険なパンチ交換にも「本場の観客に面白い試合を見せなきゃいけないという思いがあった」。激闘から1年後の12年10月に米国で「軽量級最強」と呼ばれ、のちに5階級制覇を成し遂げるドネア(フィリピン)とのビッグマッチにこぎつけた。

 帝拳ジムの後輩でもある村田が臨む大一番。「五輪金メダリストであり、プロの世界王者。ラスベガスのファンは、今までにいなかった日本人選手がどんなボクシングをするのだろうと興味を持つと思う。村田のビッグマッチを見てみたいと思わせる、インパクトある勝ち方をみせる必要がある」

 先駆者として本場でつかんだチャンスをさらに膨らませ、日本ボクシング界の新たな歴史を刻んだ。「今度は村田が第二の道を開いてほしい」と勝利を祈っている。

 ◆WBC世界スーパーバンタム級タイトルマッチ(11年10月1日、米ラスベガス・MGMグランド)7度目の防衛に臨む王者・西岡は強打者マルケスを挑戦者に迎えた。序盤から丁寧な試合運びで、中盤以降は得意の左を再三好打するなどペースを掌握。ジャッジ3者が2~6点差をつけた3―0の判定で勝利。日本人世界王者が米国本土で王座防衛した初の快挙となった。

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