ボクシング五輪存続を!井上尚弥ら歴代世界王者80人がIOCに声明文提出へ

スポーツ報知
11年、「ボクシング世界チャンピオン会」のイベントでポーズをとる歴代の世界王者たち

 2020年東京五輪実施競技からの除外危機にあるボクシングで、プロの世界王者経験者ら約80人で構成される「世界チャンピオン会」(元WBC世界ライト級王者・ガッツ石松会長)が、国際オリンピック委員会(IOC)に競技存続を訴える声明を連名で提出することが19日、分かった。20日に都内で行われる「第1回プロアマ連絡協議会」で活動方針を報告し、除外について審議される30日からのIOC理事会(東京)期間中に提出を目指す。

 プロの新旧世界王者たちが決起する。日本ボクシング連盟の茨城県連会長で「世界チャンピオン会」顧問の元WBC世界ライトフライ級王者の中島成雄氏(64)=駒大総監督=は「会としてIOCに存続を訴える談話を出す方向で考えている」と明かした。

 「世界チャンピオン会」は8年前に会長のガッツ石松氏(69)、元WBA世界ライトフライ級王者で13連続世界王座防衛の日本記録を持つ具志堅用高氏(63)、中島氏の3人が発起人となり発足。3階級王者の井上尚弥(25)=大橋=ら現役世界王者5人を含め、80人を超える個人資格で集まった親睦会だ。

 井上らアマを経てプロで活躍した多くの世界王者がIOCへの声明提出に賛同。84年ロサンゼルス五輪代表で元WBA世界スーパーライト級王者の平仲明信氏(55)は「五輪は子供たちの夢。その夢を大人がつぶすわけにはいかない」と力説した。

 国際ボクシング協会(AIBA)は3日、米財務省から「麻薬売買に関わる犯罪者」と指摘されるラヒモフ会長代行(ウズベキスタン)を新会長に選出。IOCはラヒモフ氏の組織運営やリオ五輪での相次ぐ不可解判定に懸念を示しており改善されなければ東京五輪の実施競技から除外する可能性があると警告している。

 国内では前会長の山根明氏の辞任に伴い、日本連盟も新会長を選出して組織を改編。長らく断絶状態にあったプロ側もアマの日本連盟との協力関係を築くことを決めた。その最初の連絡協議会が20日に都内で行われ、日本プロボクシング協会の協力も仰ぐ。30日から東京で行われるIOC理事会にはバッハ会長も出席する予定。中島氏は「プロ、アマで団結した声明を届けられるように努力したい」と語った。

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