異色の女子大生美人ボクサー紺野佳苗、攻撃的二刀流で全日本女子選手権に

スポーツ報知
全日本女子選手権での健闘を誓う紺野(右)と北川

 20日に開幕するボクシングの全日本女子選手権(長崎)ライトウエルター級(60~64キロ)に、異色の女子大生ボクサーが初挑戦する。来春、小学校教諭となる札幌教育大4年生・紺野佳苗(22)。ボクシング経験は2年余りだが、空手では国際大会優勝も経験した強豪だ。同フェザー級(54~57キロ)では、昨年3位の主婦ボクサー・北川おり絵(31)=三協テック=が初Vを目指す。

 22歳の女子大生ボクサーが、満を持して初陣の晴れ舞台に臨む。紺野は「失うものはない。前へ出る攻撃的ボクシングで勝利を目指し、来年、北海道で開催される全日本大会に弾みをつけたい」と、さわやかな笑顔を見せた。

 紺野の母・芳子さんは空手家で、札幌市内の道場「志聖館」代表。その影響で小学5年から空手に取り組んだ。小学生時代から「組手」で全国大会を経験。大学でも全国大会で活躍し、昨夏は「ワールド松涛館第13回世界大会」(東京)で優勝した。それでも「“寸止め”で飽きたらず、フルコンタクトの競技がしたい」と、2年前に札幌清拳ジムの門をたたき、グラブをはめた。

 昨年、ボクシングの選手登録をすると、空手で鍛えた突きの強さを生かし急成長。今年の全日本出場権を獲得した。練習は大学授業を終えた後、週5、6回。シャドー、ミット、サンドバック、対人練習など約2時間、汗を流す。他ジムへの出稽古で、実戦練習も積んできた。

 紺野を指導し、全日本選手権にもコーチとして同行する札幌清拳ジム・田中康行会長(43)は「空手仕込みのストレートが強力。元々は右利きだが、ボクシングはサウスポースタイルで鍛えてきたぶん、左右パンチの威力が変わらないのも強み。メンタルも強く、伸びしろ十分」と期待を寄せる。

 来春からは札幌市内の小学校で教壇に立つ紺野。「空手、ボクシングで培った努力の大切さ、挑戦心、対戦相手への尊敬などを教員生活にも生かしたい」と未来に夢を広げた。(小林 聖孝)

 ◆紺野 佳苗(こんの・かなえ)1996年10月3日、札幌市生まれ。22歳。小5から空手を始めた。ボクシングは20歳から。左のボクサーファイター。167センチ、61キロ。家族は母、姉、弟。

 ◆北川「結果で恩返し」集大成Vだ

 昨年、初陣で3位と健闘した主婦ボクサー・北川は「今シーズンで現役引退するつもり。集大成として優勝を目指したい」と“有終V”へ闘志を見せた。

 中標津町出身で、小学生の時にはバレーボール、中学ではバスケットボール部に所属。道文教大明清高では「YOSAKOI部」に所属した活発キャラだ。3年前に、ダイエット目的でボクササイズを始め、2年半前にボクシングへ移行。札幌清拳ジムで週5日の練習を継続。一昨年に総合格闘家の元希(げんき)さん(36)と結婚し、助言や激励を受けてきた。

 「この1年は相手パンチをかわすテクニック、フットワークにも磨きをかけてきた。支えてくれた皆さんに結果で恩返しをしたい」と完全燃焼を誓った。(聖)

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