中止のアジア選手権代表決定戦が世界選手権の代表選考会へ 高山勝成も出場

スポーツ報知
高山勝成

 アマチュアボクシングのアジア選手権(4月、タイ・バンコク)の日本代表決定戦が世界選手権(9月、ロシア・エカテリンブルク)の同選考会になることが15日、分かった。日本ボクシング連盟はこの日、3月に都内で予定していたアジア選手権の代表決定戦の中止を発表。2020年東京五輪で実施予定だった8階級(新階級)をにらみ、今回の代表決定戦を計画していたが、13日にアジア連盟よりアジア選手権は現行の10階級で実施する通知があったという。日本は昨年の全日本選手権優勝者が出場する。

 昨年10月にアマ登録した元プロ主要4団体世界ミニマム級王者・高山勝成(35)=名産大=は代表決定戦でアマデビューするはずだったが、中止でデビューが先送りとなった。アジア選手権で4強入りすれば、新階級で行われる見通しの世界選手権への出場権を得られたが、階級区分が異なるため、日本連盟関係者は「同じメンバーでやる。全く変えるつもりはない」と、世界選手権の代表選考会を実施する方針を明かした。開催時期、場所は未定という。

 アジア選手権が新階級ではなく現行の10階級に変更された理由について、日本連盟関係者は「アジア連盟から直接の回答(説明)はない」とした上で「(新階級で実施すると)五輪に関わることになってしまうからではないか」と推察した。ボクシングを巡っては、国際オリンピック委員会(IOC)から五輪での競技実施に関する計画を進めることは一切凍結されており、東京五輪での実施可否は不透明な状況。6月のIOC総会で結論が出るまで、開催国の日本でも“東京五輪につながる”などと銘打った動きができなくなっている。

 競技実施可否の結論が出た後の9月に行われる世界選手権は、新階級で行う予定。同関係者は「AIBA(国際ボクシング協会)によると、世界の全ての国から各階級1人が出場できるようにするようだ。1階級で180人くらいになる」と話した。東京五輪で競技存続となれば、多くの選手で五輪切符を争うことになる。

 3月の代表決定戦が中止となり、アマデビュー戦が先送りとなった高山は「今回のような試合中止はプロ時代に海外で何度も経験したので、全然落ち込んでもいない。来たるべき戦いへ向けてベストに仕上げていく」と前向きだった。

スポーツ

×