井上尚弥に加わる「日本人初」の新たな偉業は何? WBSS準決勝に勝利の場合

スポーツ報知
ボクシングWBSS記者会見後、スパーリングを行ったを行った井上尚弥

 WBA世界バンタム級王者・井上尚弥(25)=大橋=が16日、横浜市内の所属ジムで会見し、他団体王者らとトーナメント方式で争う「ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)」の準決勝を5月18日に英スコットランド・グラスゴーで行うと発表した。相手はIBF同級王者エマヌエル・ロドリゲス(26)=プエルトリコ=。井上の戦績は17勝(15KO)、ロドリゲスは19勝(12KO)の全勝対決となる。

 モンスターに新たな「日本人初」の記録がかかる。昨年10月のWBSS初戦で元WBAスーパー王者フアンカルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)にわずか70秒でKO勝ち。1992年4月のWBAスーパーライト級・平仲明信(沖縄)の1分32秒(92秒)を更新する日本最速決着だった。さらに具志堅用高(協栄)を超える世界戦7試合連続KO勝利、内山高志(ワタナベ)を超える世界戦通算11度目のKO勝利も単独トップに。“トリプル日本新”でファンに衝撃を与えた。

 次戦のWBSS準決勝は、日本のモンスターが英国に初上陸する。実は、日本人による英国での世界戦は過去5戦全敗。これまで関光徳(新和)、大竹秀典(金子)、岩佐亮佑(セレス)、村中優(フラッシュ赤羽)、石田匠(井岡)が挑んだが、いずれも英国人相手に敗れた。井上が英国で勝てば「日本初」の新たな勲章が加わることになる。

 この日の会見で井上は「欧州で試合ができるのでワクワクしている。今、ボクシングが盛り上がっている場所」と胸を躍らせた。ロドリゲスはプエルトリコ人のため中立国となるが、飛ぶ鳥を落とす勢いの井上が負の歴史を塗りかえてくれるはずだ。

 昨年12月には、日本人で初めて米専門誌「リングマガジン」の表紙を飾った。ボクシング界で最も歴史と権威ある同誌は1922年創刊。井上は「やってきたボクシングスタイル、結果が認められてきたのかな。前から日本人で一つ抜けたステージに行きたいと思っていた」と喜んでいた。日本人初出場のWBSSは、今秋にも決勝の開催が見込まれる。日本ボクシング界の至宝がさらなる飛躍で歴史に名を刻めるか。

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