木村翔、田中恒成に負けてファン増加「負けたらおしまいだと…」強く求められた再起

スポーツ報知
現役続行を表明した木村翔

 プロボクシングの前WBO世界フライ級王者・木村翔(30)=青木=が19日、都内で会見を開き、現役続行を表明した。昨年9月の3度目の防衛戦で田中恒成(23)=畑中=に判定負けして王座陥落。試合直後に引退を示唆していた木村は「復帰しようと思ったのは、負けていろんな人が応援してくれるんだなと改めて思った。(ファンが)負けて増えたような気もする。だから、もう一度自分を信じてやりたい」と語った。

 待望の現役続行だ。田中戦は2018年の世界戦年間最高試合賞に輝くなど、両者ともに初回から距離を詰める激しい打撃戦を展開した。有吉将之会長は「試合後は1か月半くらい放牧していた」と笑い、その間に「ファンや関係者に『木村はどうすんだ?』とよく聞かれた」という。木村も後楽園ホールに試合観戦に行けば、再起を待ち望む声をもらった。

 「負けて2、3週間は本当に辞めようかなと思っていた。(再起は)支えてくれるファンの人たちのおかげ。(田中戦の)名古屋にも全国から応援に来てくれたし、一番うれしかった。そういうファンのために、もう一度熱い試合をしたいと思ったのが(再起の)きっかけ。負けたらおしまいだと思っていた。価値観が変わったかもしれない。負けてもいい試合をしたら、周りもなかなか離れないでいてくれる」

 昨年12月に練習を再開し、左右の動きを磨くことに重点を置いている。「一番悔しいのはベルトを失ったこと。勉強になった試合。経験値はすごい上がった」と田中戦で一回り成長。会見には約30人の報道陣が集まり「2、3人だったらどうしようかと思った。ありがたい」とうれしそうに笑った。

 「世界チャンピオンになって、ずっとボクシングが楽しいんですよ。今後、進化する木村翔を見せたい」。無尽蔵のスタミナで前に出続け、見る者を沸かせるファイトスタイル。生粋のファイターが帰ってくる。

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