木村翔、中国主戦場に現役続行「もう一度、ファンのために熱い試合を…」

　プロボクシングの前ＷＢＯ世界フライ級王者・木村翔（３０）＝青木＝が１９日、都内で会見し、現役続行を表明した。昨年９月の３度目の防衛戦で田中恒成（２３）＝畑中＝に判定負けして王座陥落。試合後は引退を示唆したが「もう一度、ファンのために熱い試合をしたい」と決断。昨年１２月に練習を再開し、再起戦は３月下旬に中国・上海開催が有力とした。

　有吉将之会長（４５）は「次は春に中国で再起戦をクリアしていく」と同地に主戦場を置くことを明言した。木村は２０１７年７月に敵地で“中国の英雄”鄒市明（ゾウ・シミン）から王座奪取。中国では卓球・福原愛さん（３０）に次ぐ人気の日本人となり、昨年７月も同地でＶ２成功。都内の所属ジムに中国人の練習生が増え、木村の練習を見学するファンも絶えなかった。

　中国最大のＳＮＳ・微博（ウェイボー）に「諦めないで」などと再起を求める投稿が相次ぎ、励みになったという。昨年１２月には、都内で同社主催のイベントに出席し「日中スポーツ貢献賞」を受賞。「プロとして需要があるところでやるのが一番。ファイトマネーがもらえるところでやりたい」。王座返り咲きで“チャイニーズドリーム”を夢見る。（浜田　洋平）

　◆木村　翔（きむら・しょう）１９８８年１１月２４日、埼玉・熊谷市生まれ。３０歳。本庄北高を１年で中退。２０１３年４月にプロデビュー（１回ＫＯ負け）。２分けを挟んで１４連勝（７ＫＯ）し、１６年１１月にＷＢＯアジア・パシフィック王座を獲得。１７年７月に世界初挑戦で王座奪取。２度防衛後の昨年９月に王座陥落。身長１６４・８センチの右ファイター。