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ソフトボール日本代表の正捕手・我妻悠香が高校時代に見せた伝説のプレー

2018年8月18日17時1分  スポーツ報知
  • 米国との決勝戦では適時打も放った我妻(25番)

 20年ぶりに日本で開催されたソフトボール世界選手権。全11試合で先発マスクをかぶったのは、23歳の我妻悠香=ビックカメラ高崎=だった。世界ランク2位の日本は、同1位の王者・米国に2戦2敗で、2大会連続の銀メダルに終わった。

 12日に行われた米国との決勝に敗れた後、宇津木麗華監督(55)はこう語った。「決勝は、キャッチャーに(配球を)すべて任せた。何回もタイムをかけてマウンドに行きたかった。でも我妻に経験をさせたかった」。若き正捕手を成長させるために、無言のメッセージを送っていたことを明かした。

 エースも首を横に振らなかった。決勝で先発した上野由岐子投手(36)=ビックカメラ高崎=は、一度だけ我妻に向かって声を張り上げたが、捕手のサイン通りに投げ続けた。2―0の2点リードで迎えた3回。2安打を許し、なおも2死一、二塁。5番スポールディングに7球目の外角直球を右に運ばれ、逆転3ランを浴びた。我妻の構え通りで、失投には見えなかったがバットにとらえられた。打線が米国の盤石投手陣から6点を奪ったが、結果、7点を献上しサヨナラ負けを喫した。

 我妻は大会を通じて、投手の特長を見事に引き出した。6日の第5戦(ベネズエラ戦)、先発は、チーム最年少右腕の勝股美咲(18)=ビックカメラ高崎=。序盤3回までに2失点を喫したが、立ち直った。勝股が「やっぱりライズ(ボール)が一番の武器なので」と自信を持つ球にチェンジアップを織りまぜうまく引き立てた。4回以降はノーヒット。年下の右腕を被安打4の11奪三振、2失点の完投勝利に導いた。

 本当の勝負は20年東京五輪だ。宇津木監督は我妻について「このチームで一番成長しないといけない選手」と期待をかける。課題と収穫の両方を得た日本開催の今大会は、十分に「仮想・東京」になっただろう。

 6年前の高3の夏。伊奈学園総合高ソフトボール部だった記者は、埼玉県大会の準決勝で我妻擁する星野と対戦。1―2のサヨナラ負けで2連覇を阻まれた。その試合で我妻は、守備で魅せた。代打で三塁打を放った走者に対し、次の打者への1球目に外角の直球で外し、ピックオフ。実に見事に、けん制死を奪った。刺されたチームメートと今も話す。「本当に速かったよね。動きも、判断も」。我妻は世界一の扇の要になれると確信している。(宮下 京香)

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