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那須川天心、平成最後の大みそかに受け継ぐ“山本KID魂” 

2018年11月6日19時39分  スポーツ報知
  • 05年12月31日、「K―1 Dynamite!!」ミドル級最強王者決定トーナメント決勝戦で須藤元気(後方下)にKO勝ちし、初代王者となった山本KID徳郁さん

 9月18日に41歳の若さで亡くなった元レスリング選手で格闘家の山本KID徳郁さんのお別れ会が4日、東京・青山葬儀所で営まれた。

 山本KIDさんと共に日本の格闘技界を盛り上げ続けた魔裟斗(39)が、「この場に立つと、本当にこの世にいないんだな、と実感がこみ上げてきます。本当に残念でなりません」と弔辞を読み上げたほか、桜庭和志(49)、堀口恭司(28)、岡見勇信(37)ら海外でも活躍した選手たちが多くかけつけ、早すぎる死を悼んだ。武蔵(46)が「引退してから、こんなに格闘仲間が集まるのは初めて」と語るなど人望の厚さをうかがわせた。

 163センチと小柄ながら階級をものともせず戦い続け、格闘技ファンのみならず、ファイターをも魅了してきた。ファイターが口をそろえてたたえるのが「体格差」に関係なく挑む心。日本格闘技が世界一と言われていた2000年前後。当時はK―1、PRIDE共に大柄な外国人選手がパワフルなファイトで観客を魅了する時代だった。

 体格差で劣る日本人ファイターの中でも、小柄な山本KIDさんが10キロ近く差のある相手を倒し続けることで軽量級にも注目が集まり、バンタム級、フェザー級など軽量級が現在の日本格闘技界では中心となった。

 お別れ会が終わるのを待つかのように、翌5日にはプロボクシング元世界5階級王者フロイド・メイウェザー(41)=米国=が「RIZIN」参戦を発表。対戦相手にキックボクシングの“神童”と呼ばれる那須川天心(20)という若きスターが名乗りをあげた。

 那須川は会見の前日に、自身のインスタグラムで「KIDさんは大きい相手に体重差、体格差関係なく挑んでいました。自分にだって出来るはず」と自らを鼓舞するメッセージを掲載。会見では「世界中で誰も成し遂げられなかったことを成し遂げて、拳一つで力を証明していきたい」と話した。メイウェザーとの体重差も約10キロ、平成最後の大みそかに“KID魂”が伝承される。(記者コラム・小林 久剛)

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