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東京五輪で”一番いい色のメダル”を ソフトボール日本代表がジャパンカップで得た収穫と課題

2018年11月10日18時46分  スポーツ報知
  • 代表初打席で特大80メートル弾を放った數原顕子外野手
  • 日本代表・岡村奈々投手
  • 日本代表・我妻悠香捕手
  • 今大会2本塁打&打率4割5分5厘で優秀選手賞を獲得した江口未来子外野手

 世界ランク1位米国の壁は厚かった。「ジャパンカップ国際女子ソフトボール大会」(2~4日、群馬・高崎市城南野球場)で同2位の日本は、決勝で米国に0―4で敗れ、世界選手権(8月、千葉)に続いて準優勝に終わった。

 ただ、投打の新戦力が活躍し、収穫は多かった。左の若き主砲、5番・數原顕子(24)=シオノギ製薬=はそのひとり。開幕戦・台湾戦の代表初打席本塁打を含む2本塁打。所属チームの仲間全員が大阪から始発に乗って応援に駆けつけた。同学年の大西朱音外野手(25)が考案し、全員で名前入り応援タオルをバックネット裏で掲げて數原の背中を押した。非凡さを示したのは第3戦(オーストラリア戦)の第1打席。4球目の甘めのチェンジアップを空振りし、最後は外角の厳しいシュート系の球で遊ゴロに倒れた。だが、第3打席ではきっちり修正。甘いチェンジアップを見逃さず、中越えソロを放った。

 大会の収穫を聞くと「2本目のホームラン。しっかり甘い球を打てたのは自信になった」とうなずいた。悔しさもある。決勝(米国戦)では、エース左腕・アボットに2打席連続三振に倒れた。數原は「手も足も出なかった。米国に勝つにはアボットを打たないと。左投手を打つのが課題になる」と成長を誓った。

 宇津木麗華監督(55)は「すごい打撃センスだから」と太鼓判。大会後は「數原を5番打者に育てていきたい」と明言。3番・山崎早紀(26)=トヨタ自動車=、4番・山本優(30)=ビックカメラ高崎=に次ぐ、クリーンアップを任せる意向だ。

 若手投手陣で頭角を現したのは、全4試合に登板した右腕・岡村奈々(23)=日立=。1次リーグ第2戦は3四死球で降板したが、決勝(ともに米国戦)では7回無死一塁の場面で、3番手としてマウンドに上がった。犠打と暴投で1死三塁とすると、同級生の女房役・我妻悠香(23)の強気のリードも光り、米国9番・ガノを不意を突くチェンジアップで三振。前の打席代打で2ランを放った1番・チデスターに対してもライズボールを内角に投じ、最後は緩い球で捕邪飛に斬った。大会中、岡村に何度もアドバイスを送ったエース・上野由岐子(36)=ビックカメラ高崎=は「(若手は)米国の強さをどう感じたか。結果は負けてしまったけど、今後に生かしてくれたらいい」と期待を込めた。

 日本は世界選手権で米国に3―4、6―7といずれも1点差で敗戦。今大会は4―9、0―4と点差は開いたものの、スピードスターの1番・江口未来子(27)=デンソー=が2本塁打、打率4割5分5厘で優秀選手賞に輝くなど、戦力に点差ほどの開きは感じない。

 21日から強化合宿が始まる。宇津木監督は「合宿では、男子投手を何人も呼んで速球対策をしていく」と明かし、攻撃面で一番の難題、常時110キロ台を投げ込むアボット対策を徹底する。守備面でも、第2戦で二塁手・市口侑果(26)=ビックカメラ高崎=のグラブを襲った外国人の打者が放つ、経験のない速い打球に対し「上野が投げていない時に飛ぶ速い打球の処理への工夫もこれからする」と課題は明確になった。

 「20年の東京五輪に向けて、2年後に勝負できるようにしたい」と指揮官。ソフトボールは開幕種目に決定。金メダルへの重圧は計り知れないが、”一番いい色のメダル”に向けて着実に歩みを進めている。(記者コラム・宮下 京香)

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