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永遠のブッチャー伝説、山口県でのサイン会で起きた秘話…祖母の遺影にサインを求めたファン

2019年2月23日14時23分  スポーツ報知
  • 引退式でポーズを取るアブドーラ・ザ・ブッチャー

 1999年1月31日に61歳で亡くなった不世出のプロレスラー、ジャイアント馬場さんの没後20年を偲ぶ「ジャイアント馬場没20年追善興行~王者の魂~」(19日、両国国技館)で引退式を行ったアブドーラ・ザ・ブッチャー(78)がセレモニーから2日後の21日、山口県光市のプロレス&ファーストフード「DROP KICK」でサイン&撮影会を行った。

 同店は、2014年4月にオープン。大のプロレスファンでオーナーの川野文彦さん(46)が集めたプロレスグッズが店内に展示され、これまで鈴木みのる、小橋建太ら人気レスラーを招いてサイン会を開催してきた。

 今回、ブッチャーのサイン会は、馬場さんの追善興行で引退式を行うことを聞いた川野さんが関係者を通じてブッチャー側へオファーし快諾したことを受け実現した。午後7時半からのイベントには、予想を大幅に上回る同店がオープンして以来、最高の200人近いファンが集まり、店の外には長蛇の列ができたという。

 イベントは、参加費が3000円で順番に一人ずつ店内に入り、ブッチャーと2ショットで撮影する形で行われた。川野さんの妹で店長の山村佐千子さん(35)によると、ファンの中には持参したパイプ椅子にサインを求める人や、過去にブッチャーと撮った写真を持参した人など様々で、その一人一人とブッチャーは、和やかに会話を交わし、写真を撮影した。

 東京から参加した男性は、「憧れていたブッチャーさんと写真を撮ることができて本当に嬉しかった。しかも、時間をかけて話をしてくれたし一生の思い出になりました」と声を弾ませていた。

 参加者の中には、ブッチャーのファンだった亡くなった祖母の遺影を抱え「おばぁちゃんがファンだったのでサインをしてください」と遺影の額へサインを頼んだファンがいたという。

 ブッチャーは、引退式で「若い人たちに言いたい。自分の親が年取っても決して老人ホームにぶち込んで忘れるようなことだけはするな!いずれお前たちも年取ってそうなるんだから。ちゃんと親を大事にしろ!忘れるんじゃないぞ!」とメッセージを残した。

 稀代の悪役がラストメッセージで説いた親孝行。フォークで相手を突き刺しても反則攻撃を繰り出しても“呪術師”の根底には、両親への愛が流れていた。だからこそ、日米を通じてファンに愛されたのだろう。

 平成最後の2月、ブッチャーを通して天国の祖母を思うファンがいた。ブッチャー伝説は、今も息づいている。

                     (福留 崇広)

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