【箱根駅伝】青学大、史上6校目の総合4連覇 下馬評3強争いも復路逆転圧勝

2018年1月3日13時29分  スポーツ報知
  • 胴上げされるアンカー橋間
  • ゴールテープを切るアンカー橋間
  • 6区、富士山を背にスタートする青学大・小野田勇次
  • 4連覇のテープを切る青学大アンカーの橋間貴弥

 ◆報知新聞社後援 第94回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)(3日、芦ノ湖―東京・読売新聞東京本社前、5区間=109.6キロ)

 第94回東京箱根間往復大学駅伝競走復路は3日、神奈川・箱根町スタート、東京・千代田区大手町の読売新聞社前ゴールの5区間109.6キロで行われ、往路2位の青学大が往路優勝の東洋大を6区で逆転し、10時間57分39秒の大会新記録で史上6校目の総合4連覇を達成した。2位の東洋大に4分53秒差をつける圧倒的な強さだった。原晋監督(50)が掲げた「ハーモニー大作戦」は大成功。箱根路に美しく、力強い足音を響かせた。

 往路で負った36秒のビハインドは、アッという間に帳消しにした。箱根の山下りの6区。青学大の小野田勇次(3年)は前々回、前回いずれも2位のスペシャリスト。15キロ過ぎで東洋大の今西駿介(2年)を逆転すると、小田原中継所では逆に52秒の大差をつけた。区間歴代2位の58分3秒で走破。今西も区間5位と健闘したが、小野田が強すぎた。「やっと区間賞が取れた。やっぱり、うれしいです」と小野田は笑顔で話した。7区以降の仲間に対しては「(後続を離したので)これで後の選手は楽に走れると思う。楽に走って、優勝してください」とエールを送った。

 復路の小田原中継所以降、小野田の言葉通りにまさに「楽」な展開に。事実上、勝負は決した。

 7区の林奎介(3年)は、学生3大駅伝初出場ながら伸び伸びと箱根路を疾走し、1時間2分16秒の驚異的なタイムで走破。ハーフマラソン日本記録保持者の設楽悠太(現ホンダ)が東洋大時代の2012年にマークした区間新記録を16秒も更新した。「区間賞は狙っていたが、まさか区間新まで出ると思っていなかった。自分の思い通りの走りができた」と会心の笑みを見せた。

 8区は3年連続でマラソン10代日本最高記録(2時間11分34秒)保持者の下田裕太(4年)が登場。区間記録の更新こそは逃したが、8区で史上初めて3年連続区間賞を獲得し、箱根4連覇に花を添えた。

 9区の近藤修一郎(4年)、10区の橋間貴弥(3年)はいずれも箱根駅伝初出場だが、大差に守られて、プレッシャーとは無縁。「最高のピクニックランですよ」と原監督は満面の笑みで話した。

 学生駅伝3冠を達成した昨季とは対照的に今季は苦しんだ。原監督のお約束の「大作戦」も不発だった。

 開幕戦の出雲駅伝(10月9日)は、原監督が出演、陸上監修するTBS系ドラマ「陸王」の番組宣伝? を兼ねて「陸王大作戦」と命名したが、フジテレビ系放送の出雲駅伝では相性が悪く、東海大の2年生パワーに屈して2位に終わった。

 全日本大学駅伝は「青山祭大作戦」と命名。「この時期は青学大をはじめ、多くの大学で学園祭が行われている。全日本大学駅伝も祭りです。ドンと打ち上げ花火を上げたい」と原監督は意気込んで臨んだが、1区の中村祐紀(4年)が11位と出遅れると「青山祭」は全く盛り上がらず。神奈川大に優勝をさらわれ、さらに東海大に連敗。3位に沈んだ。

 「出雲も全日本も、いい区間もあるが、悪い区間もある凸凹駅伝だった。箱根駅伝は凸凹では絶対に勝てない。オーケストラのような美しいハーモニーを奏でることが出来なければ勝てない。しかし、1人でも音程を外したら負けてしまう。逆に言えば、調和の取れた駅伝を出来れば絶対に勝てる。指揮者である私の腕の見せ所です」

 敗戦の反省をもとに命名されたのが「ハーモニー大作戦」だった。

 15年大会は「ワクワク大作戦」を掲げ、10時間49分27秒の史上最速タイムで初優勝。16年大会は「ハッピー大作戦」で1977年の日体大以来、39年ぶりに1区から10区まで首位を走り続ける完全Vで連覇を果たした。大会3連覇と年度3冠を狙い、原監督体制となって9回目の箱根路となった前回は「3」と「9」と「感謝」の意味を込めて「サンキュー大作戦」と名付け、快挙を達成。そして、今回は10区間で調和の取れたミスがない駅伝を展開。「ハーモニー大作戦」を大成功させた。

 現4年生が入学以来、箱根駅伝では負け知らず。今回、3区2位の田村和希(4年)は大会史上13人目のV4メンバーとなった。大会前は、東海大、神奈川大との「3強」と目されたが、終わって見れば圧勝で史上6校目の4連覇を逃した。過去、3連覇した5校はいずれも4連覇以上を達成。青学大にとって吉兆のデータ通りになった。

 連覇をどこまで伸ばすのか。中大の6連覇(1959~64年)が最多。日体大が5連覇(69~73年)で次ぐ。来季は史上3校目のV5を目指す。

 2区区間賞の森田歩希(3年)、5区5位と合格点の走りを見せた竹石尚人(2年)、6区のスペシャリスト小野田、成長著しい林らが残る。「今回、故障のため、惜しくもメンバーから外れた橋詰(大慧、3年)はパワーがあるから、田村の後釜として3区を任せられる。下田、近藤の穴を埋められる選手もいる。来季も優勝を狙いますよ!」。原監督からは早くもV5宣言が飛び出した。この指揮官が調子に乗れば乗るほど青学大が強くなることは、もはや、この4年間の歴史が証明している。

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