東京五輪競泳は午前決勝…選手第一より米TV放映時間ファースト

スポーツ報知
北京五輪では午前中の決勝で北島康介さんは、男子百メートル平泳ぎ決勝で世界新記録をマークし金メダルを獲得した

 20年東京五輪で競泳の決勝を午前に実施する方針で固まったことが19日、明らかになった。大会組織委員会や国際水泳連盟(FINA)は、日本国内の競技の人気などを踏まえて一般的な夕方から夜を希望していたが、米テレビ局が北米のゴールデンタイムでの放送に合わせて午前を希望。FINAがこの案に対し、18日の理事会で同意することを決めたと発表した。

 これを受け、組織委の武藤敏郎事務総長は「(組織委は)FINAの意向を尊重する立場」とし、今後、同じ会場で行うアーティスティックスイミングや飛び込みも含めて日程を最終調整し、正式決定するとの認識を示した。日本水泳連盟は午後決勝を要望していたが、青木剛会長は「残念な結果ではある。日本のゴールデンタイムに競泳の決勝を見てもらいたかった」と落胆した様子だった。

 選手は朝の方が体が動きにくいとされる。女子個人メドレーの大橋悠依(イトマン東進)は「午前と午後では全く感覚が違う部分があり、正直(午前は)苦手な部分はある。どうすれば体が動くか、いろいろ試していきたい」と戸惑いを口にした。男子400メートル個人メドレーで連覇が懸かる萩野公介(ブリヂストン)は「朝でも体が動かないことはない」と自信を示した。

 午前決勝は08年北京五輪でも実施されている。日本代表の平井伯昌ヘッドコーチは当時、開幕3週間前から起床や食事の時間を早めて北島康介さんを平泳ぎ2冠に導いた。北京五輪で日本勢はその金2個を含むメダル5個を獲得。男子200メートル平泳ぎの渡辺一平(早大)も「北京五輪でも世界記録は出ている。その条件に合わせた選手が強いということ」と冷静に受け止めた。

スポーツ

×