東海大静岡翔洋・高木、県勢9年ぶり金 100M王者・塚本に0秒02差

スポーツ報知
5レーンの塚本との直線勝負を制して男子200メートルを制した高木(右)

◆全国高校総体 陸上(5日・三重交通Gスポーツの杜伊勢陸上競技場)

 陸上の男子200メートル決勝で、昨年2位だった高木悠圭(東海大静岡翔洋3年)が21秒13で制した。この種目の県勢の優勝は、飯塚翔太(27)=ミズノ、藤枝明誠高出=以来、9年ぶり。また、県内開催の自転車男子チームスプリント決勝で、星陵が九州学院(熊本)に敗れたが“銀メダル”を獲得。相撲団体では飛龍が3位となった。

 待っている時間が長く感じた。ゴール後、じっと電光掲示板を見つめる高木が優勝を確認すると、右手でガッツポーズ。「勝ててめちゃうれしい。この日のために、きつい練習をしてきた」。男子200メートルで昨年、0秒02差で2位に泣いた男が、今年は0秒02差で日本一に輝いた。

 隣の5レーンに入った塚本ジャスティン惇平(城西3年)との一騎打ち。「レース前から予想していた」6月に行われたアジアジュニア400メートルリレーでは、日本代表1走が高木、アンカー・塚本で優勝した仲間だが、200メートルでは敗れているライバル。今回は得意のスタートでリードし、終盤の追い上げを振り切って100メートル王者に競り勝った。

 進化を目指してフォーム改造に臨んだ1年。菅間友一監督(46)は、「力を使わず、歩幅を伸ばすようにした」。これまで100メートルの歩幅は51歩だったが、今は47歩に減少。一歩の距離が伸びた分、タイムが縮まった。準決勝では県高校記録を3年ぶり0秒01更新する20秒86をマークした。

 リオ五輪男子400メートルリレーの銀メダリストの飯塚以来、9年ぶり県勢の金メダルだ。国体のリレーを組んだ縁で、いろいろなアドバイスをもらっている憧れの人に並んだ。「まずは、高校チャンピオンになることって言われていた。飯塚さんに一番に優勝報告をしたい」と、笑顔を見せた。

 今後は、世界を見据える。「厳しいと思うけど、東京五輪を狙いたい。飯塚さんと五輪のリレーで走ってメダルを獲得したい」と、でっかい夢を掲げる。可能性を秘めた18歳の進化が、楽しみだ。(塩沢 武士)

 ◆高木 悠圭(たかぎ・ゆうき)2000年4月11日、静岡市生まれ、18歳。小3の時に清水ACで陸上を始めた。一昨年、昨年の国体では400メートルリレー3位。100メートルの自己ベストは10秒61だが、7月の県選手権準決勝で追い風参考(+3・7)ながら10秒33をマークした。家族は両親と妹。178センチ、72キロ。血液型O。

スポーツ

×