東京五輪新種目サーフィンで五十嵐カノアが全米オープン連覇「一生忘れない日」

スポーツ報知
五十嵐カノア

 2020年東京五輪の新種目、サーフィンの日本代表を目指す五十嵐カノア(20)=木下グループ=が5日、米カリフォルニア州ハンティントンビーチで行われた全米オープンで2連覇を果たした。

 生まれ育ったハンティントンビーチで偉業を達した五十嵐は「HB! HB!」と叫びながら担がれて“ウィニングラン”した。興奮して叫びすぎたのか、優勝インタビューでは「声がカラガラですみません」と言った後に「去年の優勝が人生最高だと思っていたけれど、今年はそれ以上になった。一生忘れない日。観衆のみなさん、僕にモチベーションを与えてくれてありがとう。去年は家族と友人のために、そして今年はハンティントンビーチのために」と話した。

 決勝の相手はジュニア時代からしのぎを削ってきた20歳のグリフィン・コラピント(米国)。最初の1本で8・00の高得点をマークする。五十嵐も負けじと7・60の技を披露する。残り10分を切った時点でコラピントが7・00を出し合計15・00とし、逆転には7・41が必要と追い込まれる。残り2分6秒、2人が近い距離で波をうかがう状況から五十嵐がテイクオフ。細かい動きでスピードを上げていきテール・ハイ・リバースを決めた。「ハフィントンは僕に必要な波をくれると信じていたし、本当にきた。言葉がない」。勝利を確信したように両手を何度も振り下ろし、雄たけびを上げた。8・17。準々決勝以降が行われたこの日の試合で、自身最高のスコアをたたき出した。

 9月には愛知・田原市で行われる世界選手権に相当するワールドゲームズに日本代表として初出場予定。「金メダルを取って、五輪につなげられるように頑張る」と力強く宣言した。日本での大会出場は昨年5月のQS千葉一宮オープン以来となる。

 全米オープンはトッププロが集まる世界最高リーグ、チャンピオンシップツアー(CT)の予選シリーズ(QS)の中で獲得ポイントが最も高いランクの大会の1つ。2015年には大原洋人が優勝している。東京五輪には男女20名が出場できる。

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