【日本に立ちはだかる世界の強敵】競泳 サラ・ショーストロム

スポーツ報知
池江璃花子

 アスリートの力を引き上げていくのは、何よりライバルの存在だろう。敵が強大であればあるほどモチベーションも高まり、創意工夫も生まれるというものだ。東京五輪のメダルへの道に容赦なく立ちはだかる絶対王者がいれば、猛スピードで成長して背中を脅かしてくる若手もいる。

 日本では敵なしの池江璃花子が「今は、サラ選手しか見ていない」という最強の敵。それが、ブロンドの女王サラ・ショーストロムだ。

 スウェーデン生まれ、24歳の北欧美女は、現在50、100メートルの自由形、バタフライで計4つの世界記録を保持している。短距離で、その存在は圧倒的だ。

 「一番抜かしたいし、尊敬する選手」と池江は表現する。「私と(自由形、バタフライの)ほぼ種目がまるかぶりで、全てを極めている。自分も一応、両方得意にはしているけど、自由形は国際大会で活躍できていないから」。女王のすごみは、経験を積むほど身にしみて理解してきた。

 しなやかで、伸びやかな池江の泳ぎを「柔」とすれば、ショーストロムの泳ぎはまさに「剛」と言えるだろう。181センチ、70キロという堂々たる体格に、鍛え上げられた背筋。力強く水をかいて前半からガンガン飛ばし、パワーで押し切る。後半に加速してくる池江とは対照的だ。

 「体格では絶対勝てないので。どのくらい前半で突っ込んで、最後まで持久力を保てるか」と攻略法を練る池江。100メートルバタのベストのタイム差は0秒75。打倒ショーストロムは、そのまま金メダルの夢へと直結する。

 ◆サラ・ショーストロム(Sarah Fredrika Sj1/2str1/2m)1993年8月17日、スウェーデン・ストックホルム出身。24歳。10代半ばで頭角を現し、08年北京五輪代表に。弱冠15歳で迎えた09年の世界選手権(ローマ)では100メートルバタで当時の世界新をマークして金メダル。リオ五輪では、100メートルバタでは世界新(55秒48)で金、200メートル自で銀、100メートル自で銅。181センチ、70キロ。

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