【宮下純一の目】渡辺一平は小関破って大きな自信に

スポーツ報知
金メダルを獲得した渡辺の泳ぎ

◆競泳 パンパシフィック選手権最終日(12日、東京・辰巳国際水泳場)

 男子200メートル平泳ぎ決勝で、世界記録保持者の渡辺一平(21)=早大=が2分7秒75の大会新記録をマークして、国際大会初優勝を飾った。

 渡辺選手はどん底の状態から金メダルを獲得した。大会前に体調不良になり、2分12秒15で通過した予選の泳ぎでは、2分10秒を切るのも難しいのでは?と不安に感じた。しかし自分を信じて、万全ではない中で立て直すレースができた。

 東京五輪も絶好調で迎えられるとは限らない。自分が100%に仕上げても、相手が120%と上回ってくるかもしれない。4年間のうちのたった2分。目の前のレースに、一つ一つ冷静に向き合わなければいけない。タイムよりもタイトルを取れたこと、小関選手に勝てたことは大きな自信になる。

 今大会は個人種目よりリレーでパフォーマンスが上がった選手が目立った。冬季も代表合宿を行い代表で戦うスピリットが高まり、チーム力が上がったと思う。こんなに辰巳が盛り上がったのも初めて。東京大会のいいシミュレーションができた。(08年北京五輪メドレーリレー背泳ぎ銅メダリスト)

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