【箱根への道】東海大、スピード+スタミナ「速さ生かすための体力を」in長野・白樺湖畔

スポーツ報知
白樺湖畔で30キロ走を行う東海大。湯沢(先頭)は35キロを走破

 新春の箱根路とは真逆の暑さの中でも、学生ランナーは研鑽(けんさん)に励んでいる。悲願の初優勝を目指す東海大は、スピード練習を一切行わず、スタミナ強化に重点を置いた。「夏を制する者が箱根を制す」とまで言われる夏合宿を、3回にわたって特集する。

 東海大は優勝しか見ていない。2日から始まった長野・白樺湖畔での1次合宿。合宿前の全体ミーティングで、両角速(もろずみ・はやし)監督(52)は「箱根駅伝で優勝を目指す」と、公言した。期末テスト期間明けの1日にも1500メートルタイムトライアルを行い、「(今季は)ここまで個人主体でやってきたが、ここからは箱根仕様。チームのために走ってもらう」と通達。湊谷春紀主将(4年)は「4年間で初めて監督から『優勝』という言葉を聞いて、自分もみんなも気持ちが引き締まった」と、スイッチが入った。

 6日には今季初の30キロ走を敢行。存在感を示したのは4年生と1年生だ。関東インカレ1部ハーフ日本人トップの湯沢舜(4年)がAチームを積極的に引っ張り、「長い距離は自分の強みなので、思う存分走れる」と、1人だけ35キロを走破した。西出仁明コーチ(43)も、「変人ですね(笑い)」と脱帽。1年生では5000メートル13分台を持つ本間敬大に加え、日本学生個人選手権3000メートル障害で優勝した須崎乃亥(のい)がトップ集団で粘りきった。Cチームからはい上がり、「人生初の30キロは長かったですが、湯沢さんや湊谷さんの作ってくれたペースになんとか乗れました」。“黄金世代”の3年生のうち鬼塚翔太、阪口竜平が合宿不参加、関颯人も別メニューの中、激しいメンバー争いが始まっている。

 今季のスローガンは、「速さを強さに」。昨季は出雲優勝、全日本2位と青学大に先着したが、箱根では5位と完敗した。「スピードを生かすための体力が必要。残り5か月、死に物狂いでやっていく」と、湊谷主将。昨年まで合宿中に取り組んでいたスピード練習は一切行わず、その分泥臭く距離を踏むことを重視した。スピード軍団がスタミナを手にした時、箱根のタイトルが見えてくる。(太田 涼)

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