【箱根への道】青学大、山の神の胎動「竹石は神野より速い。4代目の可能性ある」in長野・菅平高原

スポーツ報知
霧の中、菅平高原のクロスカントリーコースを走り込む青学大メンバー。原監督に「山の神」として期待される竹石(左から4人目)が絶好調だ

 新春の箱根路とは真逆の暑さの中でも、学生ランナーは研鑽(けんさん)に励んでいる。史上3校目の箱根5連覇を目指す青学大は、故障者も少なく、ほぼ全員が練習をこなすことで層の厚さに磨きがかかっている。「夏を制する者が箱根を制す」とまで言われる夏合宿を、3回にわたって特集する。

 青学大の今年の夏合宿の合言葉は、「CREATIVITY IS THE ANSWER」だ。チーム全員おそろいのTシャツに誇らしげに記されている。

 「直訳すれば『創造性が答えだ』。意訳すると『答えは一つじゃない』だね」と、原晋監督(51)は説明する。「大学として『Be the Difference』をテーマに掲げている。多様性を認め、個性を大事にするということ。我々のチームも一人一人が自分で考えて取り組んでいる」と、胸を張った。

 長野・菅平高原では、例年のテーマである「泥臭さ」と今年のテーマの「創造性」を兼ね備えた練習を積んだ。連日約30キロ、日によっては40キロ以上走り込みながら、それぞれ自主的な強化に取り組んだ。前回の箱根5区の終盤で両ふくらはぎをつって周囲をヒヤリとさせた竹石尚人(3年)は、新しい走りのイメージを模索している。「高校(大分・鶴崎工)時代から太もも裏や、ふくらはぎがつりやすい。今は前側の筋肉をバランスよく使って走るようにしています」

 早速、効果が表れつつある。21キロ走の残り3キロの上り坂で“区間新記録”をマーク。原監督は「3代目・山の神と呼ばれた神野(大地、現プロランナー)より速い。4代目・山の神になる可能性がある」と前回、アクシデントがありながら区間5位でまとめた男の潜在能力を高く評価した。

 「3大駅伝3冠になった2年前よりチーム状態はいい。油断せず、そして自信を持って練習しています」と、森田歩希主将(4年)。霧に覆われる日が多かった標高1500メートルのクロスカントリーコースで地道に、かつ、それぞれの課題を考えながら走り続けた。史上3校目の5連覇に向けて視界は良好だ。(竹内 達朗)

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