小関也朱篤が平泳ぎ3冠 リスペクトする後輩・瀬戸大也に勝って決めた

スポーツ報知
今大会の小関の成績

◆ジャカルタ・アジア大会第7日 ▽競泳(24日)

 男子50メートル平泳ぎで小関也朱篤(やすひろ、26)=ミキハウス=が27秒07で優勝し、平泳ぎ3冠を達成した。前回大会で無冠に終わった無念を晴らし、第一人者のプライドを示した。まな娘が今月17日に1歳の誕生日を迎えたばかり。最高のプレゼントを手土産に帰国する。

 武骨な男が、必死の形相で水をかいた。小関のピッチがグングン上がっていく。混戦を抜け出し、27秒07。思い切りゴール板にタッチした。平泳ぎ3冠の感触がずしりと指先に伝わった。最後の400メートルメドレーリレーは惜しくも銀に終わり、4冠はならなかったが、池江の6冠と同様、誇っていい成績を残した。

 この決勝で、リスペクトする男がともに泳いでいた。代表のチームメート、瀬戸大也だった。パンパシフィック選手権、そしてアジア大会。瀬戸は個人メドレーで前半からアグレッシブに攻めるレースを見せてきた。小関はくぎ付けになり「非常に感銘を受けた」と明かす。「レースに臨む姿勢が、後輩とか関係なく素晴らしいなと。オリンピックを目指して、チャレンジ精神を持ってレースをしている。いい見本になるというか、刺激になっています」。自らの泳ぎも攻撃性が持ち味。パンパシでは苦杯をなめた渡辺一平との激闘を制した200メートルでも、瀬戸ばりの強烈な大逃げを打ってみせた。

 大きな大会や合宿などで、家族とゆっくり過ごす時間もなかった。17日に1歳になったまな娘はパンパシで初めて観戦に訪れたが、その後、熱中症や胃腸炎にもなったといい、パパも心配を抱えながら戦ってきた。「パンパシでは2ブレ(200メートル平)がよくなかったので、アジア大会ではチャンスをモノにして、挽回したい」。その言葉通り、いや言葉以上の手土産を持って、帰国の途に就く。(太田 倫)

 ◆小関 也朱篤(こせき・やすひろ)1992年3月14日、山形・鶴岡市生まれ。26歳。日体大3年で自由形から平泳ぎに転向。2014年の日本選手権、男子100メートル平泳ぎで初優勝。初出場の16年リオ五輪は100メートル6位、200メートル5位。17年世界選手権では200メートルで銀メダル獲得。50メートル(26秒94)、100メートル(58秒78)の2種目で日本記録を持つ。187センチ、86キロ。

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