【箱根への道】国士舘大、競技力だけでなく仲間との信頼も武器に「ラスト5キロに生きてくる」

スポーツ報知
予選会を想定し、集団走を中心に取り組んだ国士舘大

 日本学生対校選手権(日本インカレ)が終わり、夏の走り込みも終盤に差しかかっている。国士舘大は各自が予選会(10月13日・立川)の通過ラインや想定順位などを綿密にシミュレーションし、チーム内で発表し合うなど、協調性を高めている。競技力だけでなく仲間との信頼も武器に、駅伝シーズンへ突入する。

 国士舘大は万全のイメージを持って臨む。28年連続で出場する予選会へ向け、新潟・妙高合宿(1~9日)で練習を積みながら、宿では部屋ごとにレースをシミュレーション。箱根でアンカーを務めた戸沢奨(4年)は、「理想が高かったり、ものすごくリアルだったり、それぞれの性格も出ますね。何キロ地点をどのくらいの設定タイムで通過したらいいのか、本戦にはどのくらいのタイムがないと通過できないのか。いろいろな考えを聞きながらイメージを膨らませています」と明かした。

 1年生から4年生まで意見を出し合い、ミーティングで発表する中で、一体感も高まった。2015年に就任し、毎年の恒例行事とした添田正美監督(41)は、「通過目安や戦い方がぼやっとしていては勝てない。押しつけることなく、自分たちで目標をつかむ努力をして欲しい」と、思いを語った。15年こそ歴代5位の僅差となる10秒差で本戦を逃したが、以降は年々順位を上げている。

 合宿の練習メニューは、予選会の距離がハーフマラソン(21・0975キロ)に延長されたこともあり、例年より集団走を多めに設定して団体戦を意識。1度の練習の負荷を上げ過ぎずに、中強度の走り込みを徹底した。藤江千紘(4年)は「疲労はたまりますが、きつい中でどれだけ動かせるか。予選会のラスト5キロに生きてくると思います」と、意図をくむ。

 箱根本戦で実力を発揮しきれないことについて、添田監督は「(本戦に)連続出場できないと、選手もスタッフも手探りで臨むことになってしまう。その点、今年は対策できている」。ケニア人留学生のポール・ギトンガ(2年)やライモイ・ヴィンセント(1年)、日本インカレ1万メートル8位入賞の住吉秀昭(4年)ら、戦力は整いつつある。3年連続の箱根路へ、絆を力に切符をつかむ。

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