魔裟斗さん KIDさんの訃報に「KIDみたいな選手は出てこない」

スポーツ報知
山本KID徳郁さんをしのんだ元格闘家の魔裟斗さん

 10月18日にがんのため他界した山本KID徳郁さん(享年41)の最後の対戦相手となった、元格闘家の魔裟斗さん(39)が20日、都内でニッポン放送「笑顔のミナモト」のコメント収録後に取材に応じ、故人への思いを明かした。

 2004年12月31日の「K―1 PREMIUM 2004 Dynamite!」のリングで、Kー1ルールで初対戦。一夜限りの現役復帰戦として行われ、KIDさんの最後の試合となった15年大みそかのリングでも拳を合わせた。「マジか…という感じ。KIDは相当悔しかったと思うし、まだ生きたかっただろうし。普段、プライベートで会うことはなかったけど、もう一生会えなくなるなと思うと、寂しい。あぁ、いなくなっちゃったんだな、と…」と絞り出した。

 魔裟斗さんは、03、08年に「K―1 WORLD MAX」で優勝し、世界王者の座も経験した。それでも「04年(大みそか)の試合はアドレナリンが全身から出ていた。試合をやっていて楽しかったのは、あの試合だけだった」と言い切った。常に正々堂々と、スポーツマンらしく正面から向かってくるスタイルが忘れられない。「特別な選手、過去にもいなかったし、これからもKIDみたいな選手は出てこないだろうなと思う」としのんだ。

 魔裟斗さんも、今年7月頃には、KIDさんのがんの病状について関係者から聞かされていた。それでも、急逝の事実を突きつけられるとやりきれない。15年の対戦後には「いつか一杯いこうよ」と約束も交わしていたが、実現しないままになってしまった。「妻(タレントの矢沢心)とも話したけど、(KIDといえば)戦った時の顔というより、いつも笑っている顔しか浮かばない。いつか拳を合わせるというよりは、違う形でお酒でも飲みたかった」と涙をにじませた。

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