【中村兼三の目】高藤は勝負所の勝ち方知っていた 渡名喜は技出す前に組み手で負け

スポーツ報知

◆柔道世界選手権第1日(20日、アゼルバイジャン・バクー)

 男子60キロ級で優勝した高藤は、東京五輪の代表争いに向けても勝ちきったことは大きい。永山との準決勝が一番の山場になると感じていただろうし、現地に入ってからも、永山とは離れた場所で自分の形をしっかり磨きながら、細かいところまで準備をしていた。

 実力的にはどっちが勝ってもおかしくないが、世界王者を経験している高藤の方が、勝負どころの勝ち方を知っていた。結果を見れば、2人には少し差がついた印象だ。追いつめられた状況になった永山は、しっかりしたプランを立てて次に進んでいくことが大事だ。

 女子48キロ級の渡名喜は決勝で敗れたビロディドに対し、技を出す前に組み手で制されていた。リーチがある分、どうしても奥襟を取らせないことを意識してしまうが、そこを見せながら引き手を持つのが早い。その対策を考えていかないと難しい。48キロ級は今回もアジア大会の近藤も勝ちきっていない。かなり世界の層が厚い階級になっている。今後はビロディドに誰が勝つのか。勝った方が代表争いで大きくリードすることになると思う。(96年アトランタ五輪男子71キロ級金メダル、旭化成監督、全柔連強化委員会副委員長)

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