朝比奈沙羅、78キロ超級8年ぶり金メダル!

スポーツ報知

 【26日=林直史】女子78キロ超級で前回2位の朝比奈沙羅(21)=パーク24=が金メダルに輝いた。この階級での日本勢の優勝は2010年の杉本美香以来、8年ぶり。女子は7階級で9人を派遣し、金5を含むメダル9個を獲得。出場全選手が表彰台に立ったのは日本女子初の快挙となった。男子100キロ超級は原沢久喜(26)が銅メダルを獲得。初出場の元世界王者で92年バルセロナ五輪銀メダルの小川直也氏(50)の長男・雄勢(22)=明大=は3回戦で敗れた。

 朝比奈が1年前の自分に打ち勝った。敗れた昨年と同様、延長に突入した決勝。課題の組み手でも先手を奪い、指導3つによる反則勝ちで頂点に立った。念願の表彰台の中央で、「昨年負けてから389日たって、先の景色を見ることができて、とても幸せです」と喜びに浸った。

 夢は20年東京五輪の金メダルと医師になることだ。昨年9月に「夢を夢で終わらせたくない」と、学業や調整を優先するために東海大柔道部を退部した。今春から大学に通いながら、実業団のパーク24に所属する異例の形を取った。1日2時間は机の前に座り、大会前の夏休みも予備校通い。柔道と両立する負担は大きかったが、「まだ誰もやったことがないこと。もちろん、嫌なことを言われることもあったけど、この道に進んで良かった」と胸を張れた。

 前回の銀メダルは自室のベッドの枕元の壁に画びょうで刺して飾ってある。いつでも目に入る位置で、「この1年苦しかったことを思い出すし、この色を塗り替えるために頑張っているとポジティブな気持ちにもなれる」。78キロ超級は18歳の素根輝(18)=福岡・南筑高=が台頭している。東京五輪の代表争いへ「お互いを高められたら」と敬意を表しつつ、「でも、最後は自分が勝ちます」と自信を漂わせた。

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