【篠原信一の目】朝比奈は連絡技に磨きかけると東京楽しみ

スポーツ報知

 第7日の男子100キロ超級の小川は、ほろ苦い世界デビューとなった。3回戦で相手が大外刈りを受け切らずうつ伏せに逃げた時に、肩関節をきめたという反則負け。相手が大外刈りを防いだ結果、あのような体勢になったにすぎず、寝技の攻撃において、あの場面で肘関節をきめにいくことも問題はない。審判には肩関節に映ったのか、かわいそうな判定だったが、今回で良かったかなとも思う。東京五輪の前に不運なことは済ませておいたほうがいい。

 原沢はリオ五輪以降の切り替えがまだ完璧ではない印象だ。技術的な課題はやはり組手だろう。釣り手が警戒され、相手を制していない時に一本背負い投げを仕掛けられる場面が多かった。3位決定戦では釣り手を持てた瞬間、大内刈りから大外刈りで一本を取ったのはさすがだが、全日本王者は世界一でなくてはならない。その使命を果たすべくさらに精進してほしい。

 朝比奈は殊勲の優勝だった。大きな体を生かした支え釣り込み足は強烈で、まだまだ単調な攻撃は課題だが、連絡技(最初の技で相手を崩しながら次の技につなげる)に磨きをかけると東京五輪の金メダルも見えてくる。女子78キロ超級は若手の素根もいる。代表争いが楽しみだ。(前男子日本代表監督、00年シドニー五輪100キロ超級銀メダル)

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