1億円ゲット!大迫傑がシカゴマラソンで日本新記録2時間5分50秒…日本人初6分切った

スポーツ報知
シカゴマラソンで日本新記録を樹立した大迫

◆シカゴマラソン(7日・米イリノイ州シカゴ)

 男子で大迫傑(すぐる、27)=ナイキ=が、日本記録を更新する2時間5分50秒で3位に入った。2月の東京マラソンで設楽悠太(26)=ホンダ=が樹立した2時間6分11秒を21秒短縮し、5分台に突入。日本新記録で日本勢14年ぶりの表彰台に立ち、2020年東京五輪でもメダル争いに絡める実力を証明した。12年ロンドン、16年リオ五輪で5000&1万メートル2冠のモハメド・ファラー(35)=英国=が2時間5分11秒で優勝。川内優輝(31)=埼玉県庁=は2時間16分26秒で19位だった。

 腹の底から、雄たけびがわいてきた。ゲート上の時計は、日本人初の2時間5分台を刻んでいた。「非常にうれしい。過酷な気象条件でタイムが出るか分からなかったが、最後の1マイル(1・6キロ)でペース通り行ければ出せると思った」。小雨まじりの曇天。強風も吹く悪天候の中でも、5000メートル日本記録保持者のスピードは最後まで落ちなかった。レース後、早速、日本実業団陸上連合から日本記録報賞金1億円の目録を贈られ、「非常にうれしい」と繰り返した。

 マラソンは30キロから―。きつくなるレース後半に、強さが際立った。「あと1マイル、あと1マイル(先頭に)つこう」。優勝争いが本格化する35キロを過ぎても、ファラーらと5人の先頭集団でしのぎをけずった。脇腹を押さえ、表情はゆがんだ。それでも、両脚を元気よく回し続けた。30キロ地点で設楽悠の日本記録ペースに26秒遅れていたが、40キロでは逆に32秒速いペースまで盛り返した。「前半は遅かったけど、ネガティブスプリット(前半のハーフより後半ハーフの方が速い)で走ることができた」。高岡寿成氏が同地で2時間6分16秒の日本記録(当時)を樹立して16年。歴史は、またもシカゴで塗り替えられた。

 04年大会3位の高岡氏以来、日本勢14年ぶりの表彰台となる3位にも価値がある。日本陸連の河野匡・長距離マラソンディレクターは、「次元の高いタイムだし、もっと上が望める」と背中を押した。大迫は「トップはとれなかったけど、日本人でも最後まで優勝争いに加われることを証明できた。今後に期待してほしい」。20年東京五輪のメダルは、もう決して夢ではない。

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