青学大、出雲駅伝優勝 史上初の2度目の学生駅伝3冠へ好スタート

2018年10月8日15時23分  スポーツ報知
  • 優勝のゴールテープを切る青学大の竹石

 今季の学生3大駅伝開幕戦の出雲全日本大学選抜駅伝は8日、島根・出雲大社鳥居前スタート、出雲ドーム前ゴールの6区間45・1キロで行われ、青学大が2時間11分58秒で2年ぶり4回目の優勝を飾った。1区の橋詰大慧(4年)が区間賞を奪うと、トップを走り続ける完全優勝。全日本大学駅伝(11月4日)、さらには新春の箱根駅伝(来年1月2、3日)で史上初めて2度目となる学生駅伝3冠に向けて最高のスタートを切った。12秒差の2位は東洋大。3位は東海大だった。

(天候晴れ、気温24度、湿度64%、西北西の風3・0メートル=スタート時)

 ◆成績

(1)青学大(橋詰、鈴木、森田、吉田、生方、竹石)2時間11分58秒

(2)東洋大2時間12分10秒

(3)東海大2時間13分31秒

(4)拓大2時間14分16秒

(5)帝京大2時間15分2秒

(6)中央学院大2時間15分4秒

 【区間1位記録】

1区(8キロ)橋詰大慧(青学大)23分15秒

2区(5・8キロ)鈴木塁人(青学大)16分26秒

3区(8・5キロ)ワークナー・デレセ(拓大)25分17秒

4区(6・2キロ)吉田圭太(青学大)18分0秒

5区(6・4キロ)今西駿介(東洋大)18分30秒

6区(10・2キロ)吉川洋次(東洋大)29分53秒

 青学大の「ヨロシク大作戦」が大成功した。アンカーの竹石尚人(3年)は一時、東洋大の吉川洋次(2年)に4秒差まで迫られたが、中盤に引き離し、今季の学生駅伝で最初にゴールテープを切った。

 1区の残り1キロ地点で、橋詰がトップに立つと、それ以降、一度も首位を譲らない完全優勝だった。

 「4回目の優勝を目指し、6区間の総合力で勝負。ポイントは4区の吉田圭太(2年)。出雲駅伝には9度目の挑戦です。合わせて4、6、4、9。ヨロシク大作戦です。どうですか? 笑うところですよ」

 前日、自信たっぷりに恒例の「ヨロシク大作戦」をぶち上げた原晋監督(51)のプラン通りレースだった。

 1区の橋詰大慧(4年)、2区の鈴木塁人(たかと、3年)が、いきなり連続区間賞でロケットスタート。3区の森田歩希主将(4年)も区間2位の安定した走りで独走態勢を築いた。学生3大駅伝デビューとなった4区の吉田圭太(2年)は大きな“貯金”を生かして伸び伸びと走り、区間賞を獲得。原監督の期待に完璧にこたえた。同じくデビュー戦の生方敦也(3年)も持ち味のスピードを生かし、出雲路を駆け抜けた。箱根駅伝5区で「4代目・山の神になる可能性がある」と原監督がその潜在能力を高く評価する竹石がアンカーの大役を果たした。

 青学大の強さの秘密は分厚い選手層だ。9月29日、相模原市の相模原キャンパス内競技場で、出雲駅伝の出走メンバーと全日本大学駅伝の登録メンバーの選考をかけて学内記録会50000メートルが行われ、18選手が設定タイムの14分10秒以内で走破した。

 「出雲駅伝に3チームつくれる状態になった。もし、3チーム出場したら1位、3位、5位が取れるぞ」

 レース直後、原監督は選手に呼びかけた。

 「1、3、5位が取れる」という大胆な発言は一部の他校関係者、ファンから反感を買うが、原監督は意に介さない。「外部の目は一切、気にしない。気にすべきは我々の選手。1、3、5位を取れると発言することで青学大の選手は、駅伝メンバーから外れたとしても、自信とプライドを持てる。そして、また、積極的に練習に取り組むことができる」と胸を張って話す。

 今年の箱根駅伝で史上6校目の4連覇を果たした後、原監督は「出雲プロジェクト」をたちあげた。「20キロ以上の箱根駅伝は厳しいが、10キロ以内の出雲駅伝なら力を発揮できる選手を育てる」と指揮官は説明。適材適所の強化プランで、1500メートルを得意とする生方が台頭した。

 最近4年度の学生3大駅伝12回(14年出雲は台風のため中止)のうち優勝8回、2位2回、3位2回。優勝確率6割6分7厘、3位以内の確率は10割を誇る。

 図抜けているのは競技実績だけではない。学生駅伝界で“異次元”のチームになりつつある。この日のスタート直前、原監督は出雲駅伝を放送するフジテレビ系の情報番組「バイキング」に出演し、司会の坂上忍(51)と絡んだ。さらに駅伝放送中には原監督の妻で寮母の美穂さん(51)を中心とした台所洗剤のテレビCMが流れた。「昨日の常識は今日の非常識ですよ。これからも新しいことにチャレンジしてきたい」と原監督はきっぱり話す。

 7日、出雲駅伝前夜の恒例行事として出雲市内のお好み焼き屋で元・開星高(島根)野球部監督の野々村直通(なおみち)さん(66)と会食した。野々村さんは10年センバツ1回戦で「21世紀枠」の和歌山・向陽高に敗れて「末代までの恥」などと発言し、物議を醸した。「文武両道の素晴らしい学校の向陽さんに敬意を払った上で『お前たちは一生懸命練習してきたのだから負けたらだめだ』と選手に強く言ってきた。発言の一部分だけ取り上げられたが、選手は分かってくれた」と熱弁。異色の監督同士、話は弾んだ。「ライバル校に敬意を払った上で、自分たちはそれ以上の練習をしている自負がある。負けたら末代までの恥という覚悟は持っています」と原監督はこたえた。

 さらに、野々村さんは原監督にアドバイス。「出た杭は打たれるが、出過ぎた杭は打たれない」

 これまで学生駅伝3冠は1990年度の大東大、2000年度の順大、10年度の早大、16年度の青学大の4チーム。「史上初の2度目の3冠を狙っていきますよ!」と指揮官は高らかに宣言する。原監督と青学大は、まさに「打たれることのない出過ぎた杭」になりつつある。

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