名城大が初連覇…区間賞の3区・高松智美ムセンビ「年末も優勝」富士山女子駅伝で2冠に挑む

スポーツ報知
名城大の3区・高松智美ムセンビ(右)は、2区・玉城かんなからタスキを受け区間賞の快走をみせた(カメラ・佐々木 清勝)

◆全日本大学女子駅伝対校選手権(28日、弘進ゴムアスリートパーク仙台~仙台市役所前市民広場=6区間38・0キロ)

 名城大が2時間5分26秒で2年連続3度目の優勝を果たした。3位でタスキを受けた3区(6・8キロ)の高松智美ムセンビ(1年)が、首位の大東大との23秒差を2・4キロ過ぎで逆転。2位以下に43秒差をつけると、その後は一度も首位を譲らなかった。8位の大阪芸大までの8校が来年大会のシード権を獲得した。(天候・晴れ、気温18度、湿度53%、南西の風3・8メートル=スタート時)

 3位でタスキを受けた高松は真っすぐ前を向くと、1位の大東大、2位の立命大を視界にとらえた。「自信があった」。1キロ手前で立命大を、2・4キロ過ぎで大東大を抜き去りトップに立つと、首位でタスキを渡し22分4秒で区間賞を獲得。「どんな順位でもらっても、絶対に1位でタスキを渡す気持ちでいた。チームに貢献できてうれしい」と胸を張った。

 24日午前に仙台入りし、午後に3区のコースを試走。本番までに計4回もコースを確認した。米田勝朗監督(50)は「そんなに走らなくても」と止めたが「自分なりのポイントを一つ一つ確認して勝つイメージを持てたので、緊張はあったけど不安はなかった」と明かした。

 陸上を始めた小学3年から高校3年までは、元マラソン選手で2001年長野マラソン優勝でケニア人の父・マクセル・ムセンビさん(46)がペースメーカー役を務め、実業団で活躍する姉・望(21)とともに毎日背中を追った。大学入学後は父が試合前に足などへマッサージを施す。この日もスタート地点で体をほぐしながら状態を見た父は「今日は絶対にいい走りができる」と確信した。

 20年東京五輪出場の可能性も秘めるエースが力走を見せたチームの次なる目標は、12月の富士山女子駅伝での2冠達成だ。高松は「年末も優勝して2018年をいい形で締めくくりたい」と力強かった。(宮下 京香)

 ◆名城大 1995年に部員2人で発足。本大会は99年に初出場してから20年連続出場で、同大史上初の連覇を達成。現在の部員は22人。主なOGは津崎紀久代、松山芽生(ともにノーリツ)。

 ◆高松智美ムセンビ(たかまつ・ともみ・むせんび)2000年2月23日、大阪・池田市生まれ。18歳。父はケニア人、母は日本人。小学3年生時に本格的に陸上を始め、大阪薫英女学院高2年時に全国高校駅伝2区2位で優勝に貢献。18年4月、名城大外国語学部に進学。U20世界陸上(フィンランド)5000メートル7位入賞。日本選手権1500メートルを制し、全日本学生対校は1500メートル、5000メートルで2冠。148センチ、39キロ。

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