22歳・野田明宏、日本新9年ぶり更新「まさか自分が出せるとは」

2018年10月29日6時10分  スポーツ報知
  • 男子50キロ競歩で日本新記録を樹立した野田明宏

 ◆競歩 全日本50キロ高畠大会(28日、山形・高畠町、高畠まほろば競歩コース)

 男子50キロ競歩で、野田明宏(22)=自衛隊=が3時間39分47秒の日本新記録で優勝した。09年に山崎勇喜(34)=自衛隊=がマークした3時間40分12秒を25秒短縮。自身初となる19年ドーハ世界陸上代表入りを確実とし、20年東京五輪でのメダル獲得へも視界が開けた。15年北京世界陸上銅メダルの谷井孝行(35)=自衛隊=は3時間51分54秒の4位に終わり、今年度限りでの現役引退を表明した。

 野田はゴールテープを切り、崩れ落ちた。日本勢初の3時間40分切り。もう力は残っていなかった。「まさか自分が出せるとは。焦らず、焦らずと自分に言っていた」。25キロ手前からは一人旅。自身初の世陸代表入りも確実にし「レベルアップした自分を世界で見せたい」と強くうなずいた。

 40キロ過ぎから吐き気に苦しみ、47キロ付近で嘔吐(おうと)した。胃液のような液体が出たが、腹は据わっていた。45キロ通過は3時間16分48秒。山崎の日本新ペースを1分半以上も上回っていた。「こんなところで止まれない」。懸命に手を振り、脚を出した。日本陸連の今村文男・五輪強化コーチは「吐いて逆にスッキリしたのかも。これだけのハイペースを維持できる持久力が強み」と目を細めた。

 明大3年時に50キロ初挑戦した16年大会。35キロで低体温症のため意識を失い、救急搬送された。何もかもが甘かった。「当時の写真を見るとヒョロヒョロ。腕も細くて、いかにも練習してなさそうな感じ」。今春に自衛隊入りし、リオ五輪銅の荒井広宙らを手本に練習を積んだ。食事も増やし、体重は2年前から3キロ増。荒井も「素直なところがいい。僕や谷井さんが言うことを受け止めて練習してくれる」とかわいがっている。

 日本人最上位で世陸の表彰台に乗れば東京五輪に内定する。課題は歩型。「跳ねているような動きになり、足が(地面から)離れて見えやすい」と今村コーチは指摘する。この日も警告が2度。あと1度で失格という瀬戸際だった。野田は「いい歩型を身につけて準備をしたい。まずは金メダルを取りにいく。世陸で恥じない結果を出せば、東京が見えてくる」。タレントぞろいの男子50キロに、また1人メダル候補が現れた。(細野 友司)

 ◆野田 明宏(のだ・あきひろ)1996年1月24日、大阪・和泉市生まれ。22歳。清風高2年時から本格的に競歩を始める。明大に進み、2017年台北ユニバーシアード20キロで7位。18年日本選手権50キロ(4月、輪島)初優勝。好きな女性のタイプは髪形がショートカットの人。嫌いな食べ物はニンジン。173センチ、59キロ。

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