阿部一二三、世界選手権連覇「うれしいよりホッとした」…リレーコラム

スポーツ報知
阿部一二三

 世界選手権で2連覇することができました。今年は妹(詩)も一緒に出場していて、2連覇という部分もあり勝たないといけない思いは昨年より強かったんですが、その中でも自分の柔道ができた。優勝した瞬間、昨年は「うれしい、よっしゃ!」みたいな感情が一番に来たけど、今回はホッとした気持ちが先に来ましたね。

 7月のグランプリ・ザグレブ大会の敗戦を生かすこともできました。あの時は「この相手だからいける」という心の隙があったと思います。そこをしっかり引き締めて、ポイントをリードしても気を緩めずに試合ができた。これからも絶対負けないように、あの負けをこの先もずっと生かしていければと考えています。

 試合が終わった後は応援に来てくれた家族と食事に行き「2連覇というプレッシャーの中でよく頑張った」と、すごく喜んでくれました。兄妹で優勝できたことも、一番の恩返しになったかなと思います。

 帰国後は1週間だけ休んで、すぐに全日本学生体重別団体優勝大会に向けて調整を始めました。同級生と食事に行ったりはしましたが、自分にとってのリラックスは体を休めること。時間もなかったので変わったことはしていません。その大会では日体大として初優勝できました。団体戦はみんなの思いもあるし、自分1人で戦ってるわけじゃない。いつもの喜びと違う感じで本当にうれしかったですね。

 世界選手権2連覇はすごく自信になりましたが、来年に東京で行われる世界選手権が大事。そこで3連覇することで東京五輪が目の前に来ると思います。11月のグランドスラム大阪に勝てば(世界代表に)内定します。地元の関西でやることで応援に来てくれる方も多くなると思うので、自分の柔道を見てもらえるいい機会。内定を絶対に取って、3連覇へ最高の準備をしたいです。

 ◆阿部 一二三(あべ・ひふみ)1997年8月9日、神戸市生まれ。21歳。6歳で柔道を始め、神戸生田中から神港学園高に進み、2014年に66キロ級で男子史上最年少の17歳2か月で講道館杯を制覇。日体大に進学した16年から全日本選抜体重別選手権、グランドスラム東京大会をともに2連覇。世界選手権は17年の初出場から2連覇。得意技は背負い投げ。168センチ。

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