新区間が際立たせた王者の強さ…全日本大学駅伝

スポーツ報知
優勝しゴールテープを切る青学大アンカーの梶谷瑠哉(カメラ・竜田 卓)

◆学生3大駅伝の第2戦全日本大学駅伝(4日、名古屋市熱田神宮西門前スタート~三重・伊勢市伊勢神宮内宮宇治橋前ゴール=8区間106・8キロ)

 今年、50回目を迎えた全日本大学駅伝は大変革した。8区間106・8キロは従来と同じだが、最終8区を除いた7区間の距離が大きく変わった。

 1~6区は9・5~12・8キロの短い区間が続く。対照的に7区は17・6キロ、8区は従来通りの最長19・7キロ。大会主催者は「交通事情を考慮しレース前半、先頭と最後尾の差を短くするため」と説明した。

 終盤2区間の距離は全体の35%を占める。主力選手を序盤に投入するか、あるいは終盤に残すか。「先手必勝」が駅伝の鉄則とされる中、各校の監督は新しい区間割りに頭を悩ませた。

 青学大の原監督もレース前に「区間配置が難しい」と話していたが、終わってみれば圧勝。1~3区には小野田、橋詰、鈴木とスピードが持ち味の選手を惜しみなく投入し、7、8区には森田、梶谷と長い距離に不安がない選手を起用した。

 2位の東海大はスピード区間の6区まで首位を快走したが、スタミナ区間の終盤2区間で青学大に逆転を許した。「長い距離に苦手意識があった」と両角監督は渋い表情で話した。3位の東洋大は選手層で青学大に差をつけられた。「4区が重要区間であることが分かった」と酒井監督。青学大は今年の箱根駅伝7区区間新記録で大会MVPの林が出陣。区間賞は五輪ランナーの順大・塩尻に譲ったが、区間2位の快走で東洋大に55秒の大差をつけた。

 スピード、スタミナ、選手層。結果的に新しい区間割りは青学大の強さを際立たせることになった。14年度以降、大学駅伝界の王座に君臨しているが、18年度のチームが歴代最強と言える。

(竹内 達朗)

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