野口が逆転V ライバル・野中との死闘を制して初代複合女王に スポーツクライミング・アジア選手権

スポーツ報知
野口啓代

◆スポーツクライミング アジア選手権 最終日(11日、鳥取・倉吉体育文化会館)

 2020年東京五輪で実施される複合の女子決勝が行われ、アジア大会女王の野口啓代(29)が、野中生萌(21)との死闘を制してアジア選手権の初代複合女王に輝いた。野口は五輪出場枠がかかる来年8月の世界選手権(東京・八王子)切符を獲得した。単種目のボルダリングで優勝したシニア1年目の伊藤ふたば(16)=いずれもTEAM au=が3位に入り、この種目で日本勢が表彰台を独占した。

 ◇複合女子決勝成績

 〈1〉野口啓代〈2〉野中生萌〈3〉伊藤ふたば〈4〉E・レカビ(イラン)〈5〉サ・ソル(韓国)〈6〉金ジャイン(韓国)

 タイムを競うスプリント種目のスピードは、2日連続の8秒台で今大会3度目の日本新をマークした野中が首位発進。野口は伊藤との3位決定戦に敗れ、4位からの出だしとなったが、残る2種目で追い上げた。9月の世界選手権で銀メダルを獲得した得意のボルダリングで、1人だけ全4完登を達成し2位に浮上。最後のリードでは逆転を狙い攻めに攻めて完登。最後のトップホルダーに飛びついて完登を成功させると会心のガッツポーズを爆発させた。野口が暫定首位に立ち、完登が優勝の最低条件となった野中は右肩痛の影響か途中で落下。野口の逆転優勝となった。

 9月の世界選手権では表彰台を惜しくも逃す4位。銅メダルを争ったアジアの強敵、サ・ソル(韓国)にも雪辱し、今季最後の大会で有終の美を飾った。野口は「私にとってアジア選手権は気持ち良く完登してうれしいです」と歓喜した。

 今年出場した複合は4試合目だったが、10日間の世界選手権の半分の5日間という超過密日程に四苦八苦。「世界選手権よりすごくハードでした。スピード、リード、ボルダリングの各予選、準決勝のすぐ後に、コンバインド(複合)があって。間の中日もなくて、毎日、登り続けたような感じだった」。

 それでも対応能力に優れた第一人者ぶりを発揮。「いつも最後にコンバインド(複合)を登る時はすごく疲れ切っていて、良い登りができなかったので。このアジア選手権は最後のリードまで体力を持たせる作戦で臨みました」と振り返った。

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