海老沼匡、五輪王者・大野将平に惜敗 後輩との対戦で感じた信念「将平とは真っ向勝負で」

スポーツ報知
男子73キロ級決勝で、激しく投げの打ち合いをする(左から)海老沼 匡と大野将平

◆柔道グランドスラム大阪大会第2日(24日、大阪・丸善インテックアリーナ大阪)

 2016年リオ五輪男子66キロ級銅メダルの海老沼匡(パーク24)が、同五輪73キロ級金メダルの大野将平(旭化成)に決勝で敗れた。17年夏に五輪2大会連続銅の66キロ級から階級変更後、初のタイトルはならず。4月の全日本選抜体重別選手権では退けたが、五輪王者に屈した。

 序盤から緊張感の漂う一進一退の攻防が続き、どちらに軍配が上がってもおかしくない接戦。残り1分15秒で指導をもらうと、20秒を切って延長戦が見えた。しかし、大野の強引な隅落としで技あり。「最後に自分の甘さが出た」と肩を落とした。

 柔道私塾の講道学舎の後輩との対決。中学、高校と一緒に稽古を積んだ間柄だ。「研究とかしていない。監督、コーチに『僕の対策は?』と聞いても『気持ちだ』と。真っ向勝負しかなかった。大野選手との決勝はうれしさとか、特別な思いがある。でも、勝たないと意味がない」と唇をかんだ。初戦から圧勝で勝ち上がるライバル。リオ五輪後、約1年の休養から復帰した後輩の五輪連覇に向かう姿勢が垣間見えた。

 「チラッと見て、選抜(全日本選抜体重別選手権)より集中力が増していた。これは強いな、と。感覚が戻りつつある。『倒したい』と思って畳に上がった。(負けて)強いことは言えないけど、あまり差はないと感じた。もう少し工夫したい」。

 20年東京五輪代表入りへ、もう一人のライバルとなる橋本壮市(パーク24)が左上腕骨軟骨損傷と右外傷性視神経症で不在。3大会連続出場に向けた代表争いでリードを広げられなかった。

 「(大野との対戦で)途中からすごい楽しいというのがあった。勝ちたかったけど…。やっぱり将平とは真っ向勝負でやりたい。僕が五輪を目指すには、勝って、勝っていくしかない。来年はちゃんと金メダルを取れる選手になりたい」。五輪金メダル候補の集まる猛者ぞろいの階級。66キロ級の2大会連続銅メダリストは、届かなかった五輪の頂点に挑戦する。

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