柔道・男子90キロ級に18歳の新星! “代打出場”の村尾三四郎が銅メダル

スポーツ報知
表彰式で笑顔を見せる男子90キロ級金メダルの向翔一郎(左から2人目)と銅メダルの村尾三四郎(同3人目)

◆柔道グランドスラム大阪大会 最終日(25日、大阪・丸善インテックアリーナ大阪)

 男子90キロ級・村尾三四郎(18)=桐蔭学園高=が、銅メダルに食い込んだ。3位決定戦では、3回戦でリオ五輪金のベイカー茉秋を下したジョージア選手と対戦。17年世界選手権銅の相手に臆せず立ち向かい、延長戦24秒で技ありを奪った。

 「優勝を狙っていたので、準決勝で負けて悔しかった。でも、3位を取ると取らないとでは違う。(グランドスラムの)初めてのメダルだけど、気にしてない。東京五輪に出て優勝したいので、そこはあんまり考えていない」と冷静に振り返った。

 世界選手権銅の長沢憲大がけがで欠場。代わりとして17日に急きょ村尾の出場が決まった。「聞いた時は、もうガッツポーズしました。すぐに試合モードです」。初々しい若き伏兵が、東京五輪の代表争いに名乗りを上げた。

 今年はインターハイで2連覇すると、世界ジュニアで2位。講道館杯は3位だった。「講道館杯でシニアに通用するなと思った。自分の手足の長さを生かした柔道をしている」と米国人の母を持ち、長い手足が武器。この日の銅メダルで海外勢と戦えることを示した。

 「外国人の間合いだと、相手は力が強い。くっついてやると力を発揮されるので、つり手を取って、ある程度の距離を取って技を出す」と自己分析。高校入学後は、身長180センチの体を大きくすることにも注力し「体で負けなくなって、技のバリエーションが増えた。今日も投げられる感覚があった。手応えがあるというのは、勝てることの表れ」とメキメキと成長中だ。

 全日本男子の井上康生監督は「将来を期待させる試合内容だった。絶対的な選手がいないので、ぜひとも(東京五輪を)狙っていってほしい」と期待。高校卒業後は東海大に進学予定の村尾は「(3位で)自分では東京五輪につながったと思っている。去年まで出たいと思っていたけど、今日でやっとしっかり口に出して言える」。“代打出場”からチャンスをこじ開けた新星が、世界一に向かって猛アピールしていく。

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