2019年9月の茨城国体で「「eスポーツ」初採用 「ウイイレ」が都道府県対抗種目に

スポーツ報知
eスポーツ大会「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ2018」の第3節。観客は画面にクギ付けになった

 平成30年(2018年)は“eスポーツ元年”となった。対戦型電子ゲームが競技種目として認められ始め、eスポーツの全国組織が完成、9月にジャカルタで行われたアジア大会では実際に競技種目に採用された。流行語大賞にもノミネートされ、世界の競技人口は1億人以上に及ぶ。

 2019年9月、茨城で行われる第74回国民体育大会「いきいき茨城国体」では「文化プログラム」としてeスポーツが都道府県対抗種目になる。使用されるゲームは「ウイニングイレブン2019」。国体でeスポーツが採用されるのは初めてとなる。

 茨城県国体・障害者スポーツ大会局総務企画課広報グループ課長補佐・瀬谷尚男さん(49)は「国体では暗い感じは出したくない。明るくてさわやかなイメージを付けたい」。日本のeスポーツの先駆けともなる大会に向け、言葉に熱意がこもる。

 さらなる知名度アップや人気向上のために挙げたのは、選手の名前だ。eスポーツの大会では本名を使わずに、プレーヤーネームを使うのが風習だ。「国体では本名で出てもらうようにします。プロ選手は心から素晴らしいと思う。世間の理解や好感を得ることができます」と瀬谷さん。五輪で本名を明かさず大会に出場している選手はいない。同大会では国体として異例のプロ選手の出場も企画されている。

 さらに、観客への競技の見せ方も変える。「もっとeスポーツを明るくするというか、“昼な感じ”を出したい。オリンピックの競技で、暗くしてやる競技は少ないです」。eスポーツ会場は、暗闇で派手な光の演出が多いが、閉鎖的なイメージを持たれる恐れもある。新たなる試みとして、9月につくば市で開催されたプレ大会では、観戦に支障がない程度の暗さに抑え、約600人が来場した。

 「せっかく全国の代表としてやるので、代表目指して頑張ってほしい。eスポーツの核になる大会ができるのが理想です。それがこの国体になれば」と瀬谷さん。新元号に変わる年に、国体とeスポーツが大きく変わる。茨城県がその中心になりそうだ。

 ◆eスポーツ 「エレクトロニック スポーツ」の略称。コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える。野球、サッカー、格闘技、パズル、カードゲームなどの種目がある。原点は、1972年に米・スタンフォード大の学生が開催した対戦型シューティングゲーム「SpaceWAR!(スペースウォー)」の大会だといわれる。日本では統括組織・日本eスポーツ連合(JeSU)が国内の公認タイトルの決定や、プロライセンスを発行。ゲームタイトルが競技種目として公認されるには、「競技性、ゲームの稼働実績、eスポーツとしての継続的大会運営、eスポーツ大会の興行性」を伴うことが条件。プロ認定は、公認大会で好成績を収めることが必要となる。

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