【箱根への道】国学院大、青木、土方、浦野の3年トリオで7年ぶりシード権狙う

スポーツ報知
国学院大の頭文字「K」のポーズをとる3年生トリオの(左から)浦野雄平、土方英和、青木祐人(カメラ・清水 武)

◆国学院大 前回14位(3年連続12回目)、予選会4位、出雲不出場、全日本6位

 過去最強の呼び声も高い国学院大を引っ張るのは3年生3本柱だ。5000メートルで青木祐人が、1万メートルで土方英和が、ハーフマラソンで浦野雄平が、それぞれ国学院大記録を更出場全23チーム紹介〈3〉新。トラックシーズンの勢いそのままに11月の全日本大学駅伝では6位に入り、初めてシード権を獲得した。箱根路では7年ぶりのシード権を狙い、さらに20年大会では3位以内へとチームを押し上げる。

 「3本柱の強さを引き出すオーダーとは。気付くと、そんなことばかり考えています」。前田康弘監督(40)がそれほど大きな信頼を寄せる3人の成長は著しい。タイムはもちろん、勝負強さの点でも結果を残してきた。

 起爆剤となったのは浦野だ。前回箱根1区2位で自信を得ると、3月の世界大学クロカンでは代表の日の丸を背負った。「トラックもロードもマルチにこなせるのは(自分の)強み」。関東インカレ2部5000メートル3位とスピードも十分。10月の箱根予選会では1時間2分2秒のハーフマラソン国学院大新記録(24秒短縮)で個人7位。4位通過に貢献した。

 スピード自慢の青木は5月のゴールデンゲームズinのべおか5000メートルで13分54秒49の同新記録を樹立(3秒1短縮)。1年時はけがが多かったため、自ら専門書で体のつくりを勉強し、補強トレーニングにもコツコツ取り組んだ。「みんながどんな意識で練習しているか知りたい」という青木の発案で、今季からポイント練習前に選手だけで集合。意図や目的を発表し合う中で練習の質も高まり、結束も強くなった。

 3年生で主将を務める土方は4月の日体大競技会1万メートルで28分44秒28をマークし、11年ぶりに国学院大記録を3秒46更新。「スピードでは青木に、スタミナでは浦野にかなわない。でも、泥臭いことを一番やってきたのは自分」と胸を張るように夏合宿では1200キロを走破。特に浦野に対しては「お互いに2区を希望している。心強い仲間であるのと同時に、あいつに勝たないとエースにはなれない」と闘志を燃やす。

 今季のスローガンは「歴史を変える挑戦」。箱根でシード権を獲得すれば、初めて3大駅伝全ての出場権を得るが、ゴールはより高みにある。「自分たちが最上級生となる来年度は3位を目指します」と土方主将は宣言。歴史に新たなページをしるすため、3本柱がチームを支える。(太田 涼)

 ◆国学院大 大学創立は1882年で、陸上部創部の明確な記録はなく、1928年の関東インカレ成績が残っている。箱根駅伝は2001年に初出場。総合最高成績は11、12年の10位。往路最高は6位、復路最高11位。出雲駅伝は12年の10位、全日本大学駅伝は18年の6位が最高。男子長距離部員は49人。タスキの色は赤紫に黒の縁取り。主な陸上部OBは荻野皓平(富士通)、蜂須賀源(コニカミノルタ)。

 ◆戦力分析 3本柱中心だが、全体の底上げも順調。長谷や江島ら4年生の安定感が増し、復路で単独走になるような場面でも乗り切る力は十分ある。結果として下級生も伸び伸び走れ、予選会個人51位の臼井や全日本4区6位の藤木らは自分の走りに集中できた。

 「山に関しては前回より上積みがある」と前田監督が話すように、残る課題は序盤。2区に浦野か土方を起用しシード圏内で展開するためにも、1区の出遅れは避けたい。ブレーキさえなければ、シードどころか上位も視野に入る。

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