【箱根への道】法大「#大畑マジック」あるぞ往路V

スポーツ報知
責任感を力に変えてチームを引っ張る法大・大畑主将(カメラ・佐々木 清勝)

◆法大 前回6位(4年連続79回目) 出雲12位 全日本7位

 法大の3年連続シードへ、大畑和真主将(4年)が魔法をかける。全日本大学駅伝7位と勢いに乗り、山の神候補・青木涼真(3年)を擁するチームは往路優勝も視野に入る。その勝負強さは今季のチームカラーであり、SNS上では「#大畑マジック」がブレイク。前回の6位を超える5位以内を目標に掲げ、オレンジエクスプレスを引っ張る。

 ステージは整った。大畑は「全体として、12月に入ってからようやく調子が上がってきました。全日本大学駅伝も万全ではない中でシード権を取れたことは大きい」とチームの伸びしろに自信を見せる。

 主将として先頭に立ち続けた。坪田智夫監督から「地道にコツコツやってきたことを見せてほしい」と、あえて目立った実績のない大畑が任命された。エース・坂東や下級生ながら前回5、6区で活躍した青木、佐藤らがいる中で「まさか自分とは、と思いましたが主力にはノビノビ役割を果たしてもらおうと思った」。自身も責任感を力に変え、関東インカレ1部ハーフ6位。出雲3区5位、全日本8区9位と安定して結果を出し続けた。

 練習以上の力が本番で発揮されることから、大畑の走りはSNS上で「#大畑マジック」と称される。2月ごろから静岡・島田高時代の同期が使いはじめ、今では法大の勝負強さを象徴する言葉となった。1万メートル上位10人の平均タイムは23チーム中20位だが「自分だけでなく、チーム全体として持ちタイム以上の力が発揮できる雰囲気。特に駅伝では区間記録より、一つでも上の順位を目指そう、という意識が浸透しています」と胸を張る。

 前回以上の走力をつけたチームは5位以内を狙う。「前回6位でしたが、そこから一つ上げることも簡単ではない」と厳しさを口にする一方「マジックがさく裂すれば十分戦える」と手応えも。補欠登録だが希望は10区だ。「全日本もアンカーでしたが、個人的には不本意な結果だった。自分の順位がチームの順位になるので、5位以内へ自分の走りをしたい」。タネも仕掛けもない。努力で駆け上がった男が、最高の走りを披露する。(太田 涼)

 ◆大畑 和真(おおはた・かずま)1997年3月22日、静岡・焼津市生まれ。21歳。2015年4月に法大社会学部入学。自己記録は5000メートル14分29秒98、1万メートル29分32秒92。箱根駅伝は3年時8区8位。3歳下の弟・怜士は日体大駅伝部所属。166センチ、55キロ。

 ◆法大 1919年創部。箱根駅伝には21年の第2回大会から出場し、総合の最高成績は3位(31、43年)。往路、復路ともに優勝1回。出雲駅伝は最高7位。全日本大学駅伝は95、01年に5位。長距離部員は選手50人、学生スタッフ18人。タスキの色はオレンジに濃紺の縁取り。主な陸上部OBは01、05年世界陸上400メートル障害銅メダルの為末大氏、駿河台大の徳本一善監督ら。

 ◆戦力分析

 15年ぶりの5位以内へ山で勝負を決める。前回は12年ぶりに2年連続のシード権を獲得。4区終了時点ではシード圏外の14位だったが、7区には4位でタスキが渡った。箱根山中で計11人をかわした5区青木、6区佐藤の“山コンビ”は今季も健在だ。

 佐藤は補欠に登録されており平地での起用が濃厚。大畑ら上級生の安定感は抜群だ。2区の坂東は2000年大会で坪田監督がマークした法大記録の更新を狙っており、勢いに乗れば往路優勝も見えてくる。

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