日清食品G陸上部が活動縮小と内定取り消しを発表

スポーツ報知
佐藤悠基

 日清食品ホールディングスは11日、日清食品グループ陸上競技部の活動についてチームとして駅伝に出場をしないこと正式発表した。ニューイヤー駅伝(全日本実業団駅伝)優勝2回などを誇る強豪は今後、活動を大幅に縮小する。9月に行われる20年東京五輪マラソン代表選考会(MGC)の出場権を持つ佐藤悠基(32)と村沢明伸(27)を除く12選手に退部を勧告。今春入社予定だった大学4年の2選手に対しては内定取り消しの通告を行った。

 「これまでに実業団駅伝をはじめとした国内外の主要競技大会で活躍したほか、オリンピック選手を5名輩出するなど、陸上競技界の発展に対して一翼を担ってきました。しかしながら、発足当時とはさまざまな環境が変化してきたことから、今後は、世界を目指す選手の競技活動をサポートする体制に切り替えることとしました。なお、今年入部予定だった選手2名についても、今後の競技活動への影響を最小限にするために誠実に対応いたします」と同社では説明した。

 マラソン日本記録保持者の大迫傑(27)=現ナイキ=らトップクラスの選手が所属し、近年まで日本長距離界を先導していた日清食品Gが突如、強化方針を大きく変更。所属14選手のうち佐藤、村沢以外の12選手に対して退部を勧告し、競技続行を希望する選手には他チームへの移籍を支援、これを機に引退する選手には社業に専念してもらう方針を伝えた。佐藤、村沢の残留は本人の意思次第と見られている。今後、各選手と面談を行う。所属選手は「非常に残念で悔しい」「とても残念」などと自身のツイッターにやるせない思いを明かしている。

 今春入社予定だった選手と大学に対しては謝罪した上で他チームに所属できるよう尽力することを約束。すでに実業団の数チームに対し、新人選手の受け入れを要請している。また、現大学3年生の中で一、二を争う実力派選手は日清食品Gの強い誘いを受けて、20年春に加入する意思を固めていたが、白紙に戻った。

 日清食品Gは今年のニューイヤー駅伝で16位に終わるなど、最近は著しく低迷していた。

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