東京五輪贈賄疑惑の竹田恒和会長、会見も7分で終了

スポーツ報知
記者会見する竹田恒和JOC会長

 2020年東京五輪招致を巡る贈賄の容疑者としてフランス当局から正式捜査を開始された日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長(71)が15日、東京都内で記者会見を開き「潔白を証明すべく、全力を尽くす」との声明を発表した。ただ、質疑応答を受け付けず、用意した文書を読み上げ、わずか7分間で終了。報道陣の怒声も響く異様な空気となった。捜査が長期化すれば、進退問題に発展する可能性が拭いきれない。

 わずか7分間。注目の会見は肩すかしで終わった。会場には海外からも含め、報道70社、約140人が集結。竹田会長は東京五輪へ約1年半と迫った時期の騒動勃発に「大変申し訳なく思っている」と謝罪の言葉を述べた。

 会見は捜査開始が明らかになった日の翌12日、会長自身の強い意向で設定されたものだった。JOC内部の反対の声を押し切った格好だが、今度は国際オリンピック委員会(IOC)が猛反対。それを受け、報道各社には15日午前2時にメールで「仏当局が調査中の案件のため」との理由で、質疑をしない旨が通達された。

 退場する背中には「質問を受けて」との声が飛び、その後に対応したJOCの広報担当には「これだけ人を集めておいて、失礼だ」などと厳しい声が飛んだ。ただ、会長は報道陣からの強い抗議を受けても結局応じることはなかった。

 竹田会長は問題のコンサルタント会社との契約については「意思決定プロセスに関与しておらず、関与した人々や、承認手続きを疑う理由もない」と声明の中で強調した。2億円超の支払いには「業務に対する適切な対価」と説明したが、消化不良の感は否めない。

 東京五輪までIOC委員の任期延長が決まっている竹田会長は、6~7月のJOCの役員改選で11選が有力視されていた。だが、疑惑を抱えたままの続投には疑問の声が高まる可能性も。「(捜査のため)公的な場に出てこられないなら、会長職を降りるしかない」(JOC関係者)との意見も出始め、捜査が長引くほど、取り巻く状況は厳しくなるとみられる。

 ◆東京五輪招致を巡る贈収賄疑惑 東京五輪招致委員会が13年、シンガポールのコンサルタント会社ブラックタイディングス社と契約して送金した計280万シンガポールドル(約2億2000万円)の一部が、当時、国際オリンピック委員会(IOC)の委員だったラミン・ディアク前国際陸連会長(セネガル)の息子に渡ったとされるもの。招致委員会理事長(当時)だった竹田会長は、業務契約に基づく正当な支払いだとして、票の買収を否定してきた。

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