4月にプロ転向の川内優輝が今秋にMGCとドーハ世界陸上の連戦の可能性も

スポーツ報知
今秋の仰天プランを明かした川内優輝

 4月にプロ転向を表明している最強市民ランナーの川内優輝(31)=埼玉県庁=が27日、今秋のビッグレースとして2020年東京五輪マラソン代表選考会(MGC、9月15日)とカタール・ドーハ世界陸上マラソン(10月5日)の連戦の可能性を検討していることを明かした。毎週のようにレースに参加して強化を図る川内は春のメインレースとしては前年覇者として臨むボストンマラソン(4月15日)に照準を絞っている。秋のメインターゲットとしては「MGCかドーハ世界陸上のどちらかに出場したい、と考えています」と話した。その上で「2週間以上もありますから、出ようと思えば両方出られます」と川内らしい“仰天プラン”の可能性も示した。MGCの出場権はすでに獲得。ドーハ世界陸上の代表選手は未定で、しかも、川内は暑さが苦手とされているが「ドーハのスタート時間は真夜中(現地時間午後11時59分)ですからね」と意欲を見せた。

 この日、川内は所属する埼玉県庁の走友会Aチームの一員として埼玉・飯能市で行われた奥むさし駅伝(6区間38・6キロ)の1区(9・9キロ)に出場し、30分11秒で区間8位。今年の箱根駅伝(2、3日)2区で区間5位だった中大の堀尾謙介(4年)、駿河台大のケニア人留学生のブヌカ・ジェームス(1年)らと競り合った川内は「スピードランナーと競り合って楽しかった」と笑顔で振り返った。レース後は同じコースを走ってスタート地点まで戻るタフネスぶりを発揮。「沿道の方々に『ご苦労さま』とねぎらってもらいました。それがこの大会の楽しみです」と笑った。

 川内は3月末で埼玉県庁を退職し、4月からプロランナーに転向することを表明している。「お世話になった県庁のために最後までしっかり仕事をさせて頂きます。少なくとも金曜日の3月29日まで働きます。引き継ぎなど仕事が長引けば3月31日まで働きますよ」と充実の表情で話した。

 今後、埼玉県庁の一員として最後にタスキをつなぐことになる埼玉駅伝(2月3日)、熊日30キロロードレース(同17日)、静岡マラソン(同24日)、久喜マラソン(3月24日)など得意のハードスケジュールをこなし、プロ初戦となるボストンマラソンに挑む。そして、秋には2つのビッグレースが待つ。

 川内は2013年12月に福岡国際マラソンで2時間9分5秒で走った後、わずか中13日で防府読売マラソンで2時間9分15秒で走破した実績を持つ。「あの時はむしろ防府の方が調子が良かった」とサラリと話す。MGCとドーハ世界陸上。どちらに出場するのか、あるいは連戦するのか。その時はプロとなっている川内の判断が注目される。

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