箱根初Vの東海大・館沢新主将らが闘病中の“後輩”をお見舞い

スポーツ報知
闘病中の竹内君をお見舞いした東海大駅伝チーム(左2人目から鬼塚、館沢、塩沢、西出コーチ)と成田高・松沢監督

 第95回箱根駅伝(2、3日)で初優勝を果たした東海大の館沢亨次新主将(3年)、鬼塚翔太(3年)、塩沢稀夕(2年)が29日、千葉県内の病院に入院中で昨年4月に推薦入学予定だった竹内峻哉君(19)のお見舞いに訪れた。竹内君は千葉・成田高3年時の17年10月、千葉県高校駅伝の前日に脳梗塞で倒れ、それ以来、闘病生活を続けている。館沢主将らは病気さえなければ東海大に入学し、現在は1年生部員となっているはずだった“後輩”に東海大のユニホームとタスキを届けた。

 現在、リハビリ中の竹内君はまだ言葉が十分に話せないが、あこがれの“先輩”とユニホーム、タスキを前に満面の笑みを見せた。館沢は「今年は竹内君のためにも1500メートルで日本記録(3分37秒42)を更新するよ」と宣言した。母の香織さんは「本当に力になります」と感謝した。

 約50分間、お見舞いした館沢は「竹内君に日本記録を出すと言った以上、出さなければいけません」と真剣な表情で話した。母・香織さんによると、竹内君は今年の箱根駅伝をずっとテレビ観戦し、東海大を応援。悲願の初優勝を果たした時、感動の涙を流したという。「箱根駅伝で勝てたことが少しでも竹内君の励みや頑張りになればうれしいです。それがまた僕らの力になります」と館沢は話した。

 両角速監督(52)も竹内君がさらに回復することを強く願っている。「前年度、願書を提出しましたが、その後、病気になり、受験できませんでした。良くなって再度、受験に挑戦してほしい」と切実な様子で話した。両角監督は竹内君が倒れた直後にお見舞いに訪れ、優勝した17年出雲駅伝で選手がつないだタスキとユニホームを届けている。指揮官は館沢ら選手に対しては「自分よりも箱根駅伝を目指して頑張っている選手がいることを知ってほしい」と訴えた。東海大ランナーと竹内君は、それぞれの目標に向かって戦い続ける。

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