江原騎士「強さ見せられた」2冠…妹のような存在・池江璃花子の回復願う

スポーツ報知
男子200メートル自由形で力強い泳ぎを見せる江原

◆競泳 コナミオープン第1日(16日・千葉県国際総合水泳場)

 2016年リオデジャネイロ五輪800メートルリレー銅メダリストの江原騎士(ないと、25)=自衛隊、フィッツ竜王=が、男子200メートル自由形と同1500メートル自由形で2冠を成し遂げた。2冠は、3冠(200、400、1500メートル自由形)を達成した17年以来。左肩に痛みを抱える中、粘り強く徐々に追い上げ頂点に立った。17日には4連覇がかかる同400メートル自由形に臨む。

 江原が笑顔で言い切った。「今日は強さを見せられたと思います」。男子200メートル自由形決勝を制した30分後。同1500メートル自由形決勝に出場すると、左肩の痛みを抱えながらも徐々に順位を上げていき、最後は2位に4秒37差の大差をつけ15分12秒93で優勝。「後半(ペースを)上げる方が痛くないというか楽に泳げました」。200メートルでも150メートルのターンでは3位だったが、「1番を取れるなら取ろうと」と一気に追い上げ、1分48秒28の逆転劇を演じてみせた。

 白血病を患っていることを公表した女子エース・池江璃花子(18)=ルネサンス=とは「ずっと仲良くしてもらっていたところもあったので、他人事とは思えなくて…」。妹のような存在だと明かした。「どういう言葉をかけていいか、僕も未熟なのでまだわからない。まずは病気が治って欲しい」と神妙な面持ちで話した。

 忘れられない思い出がある。2年前のコナミオープン。3冠を達成したが「体調的に良くなかった時期」(江原)だった。すると、全レース終了直後に池江から「一緒に頑張りましょう」というメッセージが書かれたゼッケンを手渡された。「すごくうれしくて、『また頑張ろう』という気持ちになれました。今日もその気持ちを忘れずに泳ぎました」と振り返った。

 「レースや水泳に向かう姿勢はすごく尊敬していて、学ぶところも多かった。教わったことをふまえて、自分の力を発揮できたらいいし、璃花子ちゃんには元気になってもらいたい」。闘病中の“妹”の回復を願いながら、レースに臨んでいく。(古川 浩司)

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