野口みずきさん、15年ぶり青梅路でスターター役「また帰ってきたいです」

スポーツ報知
30キロの部でスターターを務めた野口みずきさん

◆第53回青梅マラソン ▽30キロの部、10キロの部(17日、東京・青梅市・日本陸連公認コース)

 メイン種目の男子30キロは一般参加の木津晶夫(25)=カネボウ=が1時間33分30秒で日本人トップの2位に入った。女子30キロは吉田香織(37)=TEAM R×L=が1時間44分28秒で初優勝。ともにボストン・マラソン(4月15日)の出場権を得た。04年アテネ五輪女子マラソン金メダリストの野口みずきさん(40)=岩谷産業陸上部アドバイザー=がスペシャルスターターを務めた。(晴れ、気温9度、湿度32%、北北西の風3メートル=午前11時)

 優勝経験者でもある2人の五輪金メダリストが、早春の青梅路を活気づけた。30キロの部のスペシャルスターターを務めた野口さんは、1万3178人を優しい笑顔で送り出した。「皆さん、楽しんで走ってくださいね」「ゴールで待ってますからね」―。スタート台の上で、00年シドニー五輪女子マラソン金メダルの高橋尚子さん(46)と13分45秒にわたり、手を振り続けた。

 ランナーからは「みずきちゃ~ん」などと温かい声を受けた。足音とともに連なった人、人、人の波。1967年創設の市民マラソンの壮観な景色に「こんなに大勢の人が続いていたんだ、と驚きました。私が出た時は、先頭しか見ていなかったので」と野口さんは目を丸くした。

 15年ぶりの青梅路だった。04年大会女子30キロの部で01年の高橋さんの記録を2分48秒更新し、1時間39分9秒の日本記録(当時)で優勝。「仮想アテネ五輪で起伏のある青梅を走って、記録も出せて大きな自信になりました」と同五輪女子マラソン金メダル獲得につなげた。「沿道の電柱に布団が巻いてある風景が懐かしかった。青梅の皆さんの温かさを感じました。ぜひまた帰ってきたいです」。“不滅”と言われる大会記録保持者は、再訪を約束した。(榎本 友一)

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