東京マラソンでMGC最多タイ勢力となった青学大の原監督「箱根だけではない」

スポーツ報知
表彰式で瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーからねぎらわれる(右から)神野大地、藤川拓也、今井正人、堀尾謙介

◆東京マラソン(3日、東京都庁スタート~東京駅前ゴール=42・195キロ)

 青学大が2015年箱根駅伝で初優勝した時に主将を務めた藤川拓也(26)=中国電力=が2時間10分10分35秒で日本人3位の全体7位、青学大時代に箱根駅伝5区で活躍し「3代目・山の神」と呼ばれた神野大地(25)=セルソース=が日本人4位の全体8位となり、そろって20年東京五輪マラソン代表選考会(MGC、9月15日)の出場権を獲得した。青学大出身のMGC進出は2月の別府大分毎日マラソンで出場権を獲得した橋本崚(25)=GMOアスリーツ=と合わせて3人となり、大学別出身で東洋大、駒大とともに最多に並んだ。原晋監督(51)は「青学大は箱根駅伝だけではないということを証明してくれた」と笑顔で話した。

 この日、スタートからゴールまで移動しながら選手を応援した原監督は「厳しいコンディションの中、みんなよく頑張った」と教え子の健闘をたたえた。藤川、神野がMGC進出を決めた一方、ワイルドカード(期間内の上位2レースの平均が2時間11分以内)でMGC進出を目指した一色恭志(24)=GMOアスリーツ=は2時間12分21秒で4秒及ばす、出場権を逃した。「一色選手は4月に海外レースでもう一度チャレンジしてほしい」と指揮官はゲキを飛ばした。

 原監督は現役学生として唯一出場した山田滉介(4年)の健闘もたたえた。中間点をハーフマラソン自己ベスト(1時間3分45秒)とほぼ同じ1時間4分3秒で通過。15キロ過ぎに1キロ3分ペースの集団から遅れ始めた神野を引っ張るシーンもあった。「神野が4年生の時の1年生が山田。神野には山田には遅れるわけにはいかないという意地があったはず。神野のMGC獲得は山田がアシストした。ご飯をおごってもらったらいい」と原監督は笑顔で話した。前半のハイペースがたたり、2時間24分39秒の89位に終わったが、見せ場をつくった山田に対し、「このチャレンジが卒業後につながる」と激励した。

 レースは、ビルハヌ・レゲセ(24)=エチオピア=が悪条件にもかかわらず、2時間4分48秒の好記録で優勝。中大4年の堀尾謙介(22)が2時間10分21秒で日本人トップの5位に入った。途中まで現中大監督の藤原正和が2003年のびわ湖毎日でマークした初マラソン日本最高&日本学生記録(2時間8分12秒)の更新も視野に入れた大健闘で、学生として初めてMGCの出場権を獲得した。日本記録(2時間5分50秒)保持者の大迫傑(27)=ナイキ=は約29キロ地点で途中棄権した。

 女子のレースは、世界歴代8位(2時間18分34秒)の自己ベストを持つルティ・アガ(25)=エチオピア=が2時間20分40秒で優勝。初マラソンの新鋭、一山麻緒(21)=ワコール=が2時間24分33秒で日本人トップの7位に入ったが、惜しくもMGC出場権獲得には33秒及ばなかった。

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