小川雄勢、平成ラストの全日本柔道選手権で初V狙う 父から始まった平成の全日本は長男で締める

スポーツ報知
息子・雄勢(右)とまな弟子・荒谷莉佳子(左)をねぎらう小川直也氏(中央)

 柔道の全日本選手権(4月29日・日本武道館)、全日本女子選手権(同21日・横浜文化体育館)の予選を兼ねた東京選手権が10日、東京・足立区の東京武道館で行われ、男子では世界選手権無差別級で3連覇を果たした小川直也氏の長男・雄勢(22)=明大4年=が4度目の全日本選手権出場を決めた。

 2回戦から登場した小川は、3試合を危なげなく勝ち進んだ。「この試合は大事だからと言い聞かせてやりました。試合としては良くないですが」。2月のGS(グランドスラム)デュッセルドルフから帰国後もこの大会に向けて練習を重ねてきた。昨年11月のGS大阪で痛めた左太ももが完治しておらず、この日は準々決勝以降には進まなかったものの、休む間もなく、15日からのGSエカテリンブルグ(ロシア)に向けて日本を出発する。

 「こういう連戦は初めて。ドイツの反省もあり、技を積極的に出そうと、今日の試合に臨んだ。体は動いていたというより、動かしていた」と雄勢。直也氏は「苦しい日程の中でやりくりできないと」とあえて“試練”を歓迎する。

 父は平成最初の全日本王者となった。3日前に明大政経学部の卒業通知が来て「安心した」と笑った長男は、GSデュッセルドルフを制したリオ五輪100キロ超級銀メダリスト・原沢久喜(26)について「(デュッセルドルフでは)僕が負けた相手を破って優勝した。(東京五輪代表争いで)少しでも差をつめて、ひっくり返せるようにしたい」と意欲を示す。4月からパーク24に入社予定で、同柔道部の吉田秀彦総監督(49)も「後は全部勝たないと」と期待を寄せている。GSエカテリンブルグ、全日本選抜体重別(4月6、7日・福岡)で連勝し、父から始まった平成の全日本選手権は、その長男が勝って締める。

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