「あと500日まだ変われる」アーティスティックスイミング・乾友紀子…リレーコラム

スポーツ報知
フランスオープンから帰国した乾友紀子(右)と吉田萌

 東京五輪まで500日となりました。1000日前のイベントがついこの間のように感じますが、そこからもう半分と考えると、本当にあっという間ですね。時間は一瞬にして過ぎますが、500日というのは、まだまだ自分が変われる時間だととらえています。

 今月はフランスオープンに出場してきました。ソロではテクニカルルーティン(TR)とフリールーティン(FR)の2種目で優勝、デュエットではともにウクライナに負けて2位。ソロのTRではスペインのオナ・カルボネル選手に勝つことができ、自分でもビックリの結果が出ました。

 オナ選手はこれまで、ランクが全然違うところにいる遠い存在でした。勝つというより、相手にされないというような…。今回彼女が出場するのを知って、自分の方が少しでもいいところを出し、挑戦的な演技をしようと心がけたのが、いい結果につながったのではないでしょうか。

 自分は選手として突出した長所があるわけではないと思っています。例えば能力を六角形にして表すと、すごく飛び出たところもないし、すごくへこんでいる部分もない。こぢんまりとバランスのとれた六角形、というのが自己分析です。ただソリスト(ソロの選手)は基本的に自分が大好きなので、人に合わせるのが苦手な選手が多い。チームに入ると合わせられないソリストもいる中で、私はデュエットでもチームでも、オールラウンドに泳げるのが強みと言えるかもしれません。

 あと500日。自分の六角形を、バランスは保ちながら全体的に大きくするのが理想です。その中で、今回のフランスで自覚した技の持久力という弱点の克服も避けては通れません。オナ選手も、今回ミスした箇所を次は改善してくるでしょう。私も立ち止まってはいられません。彼女の持つカリスマ性なども見習いながら、自分を見つめ直して頑張ろう、と思いを新たにしています。

 ◆乾 友紀子(いぬい・ゆきこ)1990年12月4日、滋賀県生まれ。28歳。2012年ロンドン五輪はデュエット、チームとも5位。16年リオ五輪ではともに銅メダル。09、11、13、17年世界選手権代表。滋賀・近江兄弟社高―立命大出。井村アーティスティックスイミングクラブ所属。芦屋大職員。170センチ、53キロ。

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