箱根初V東海大の湊谷春紀主将ら卒業 「歴史をつくった世代」両角速監督が祝福

スポーツ報知
箱根駅伝初優勝を飾った東海大の両角速監督(中)は湊谷春紀主将(左)、湯沢舜(右)の卒業を心から祝福した

 第95回箱根駅伝(2、3日)で初優勝を遂げた東海大の湊谷春紀主将、2区を好走した湯沢舜ら4年生が25日、神奈川・平塚市の湘南キャンパスで卒業式に臨んだ。「4年間で一番の思い出は、もちろん、今年の箱根駅伝で優勝できたことです」と湊谷、湯沢は満面の笑みで声をそろえた。

 箱根駅伝5連覇を狙っていた青学大に3分41秒の差をつけて、念願の初制覇を果たした。4年目の箱根路では最高のフィナーレを迎えたが、それまで湊谷も湯沢も苦しい時間を過ごした。

 「キャプテンになった後、全然、走れなかった。悔しかったし、みんなに申し訳なかったです」と湊谷は静かに振り返る。全日本大学駅伝(昨年11月)では7区でトップでタスキを受けながら青学大・森田歩希(4年)との主将対決に完敗。逆転を許し、2位惜敗に終わった。

 湯沢は、館沢亨次、鬼塚翔太(いずれも3年)ら黄金世代と呼ばれた1学年下の後輩選手の陰に隠れ、3年時まで学生3大駅伝に出場することはできなかった。「3年生の箱根駅伝ではチーム11番手で出走できなかったことは4年間で一番、悔しい思い出ですね」と湯沢は苦笑いする。

 最後の箱根駅伝では、これまでの苦しみ、悔しさをすべてパワーに変えた。湯沢は最初で最後の箱根駅伝でエース区間の2区を任され、区間8位と力走。青学大を抜き、順位を6位から5位に上げた。復路重要区間の9区を任された湊谷は再び首位でタスキを受けると、区間2位の堅実な走りで堂々とトップを守った。タスキを託した郡司陽大(3年)がそのまま東京・大手町のゴールまで突っ走った。

 湊谷はDeNAで、湯沢はSGホールディングスで競技を続ける。「東海大で諦めずに挑戦することを学びました。これからはお金をいただいて走ることになります。責任感を持って競技に取り組みます」と湊谷は表情を引き締めた。湯沢は「4年間、自分の意思を貫くことを学ぶことができました。マラソンで東京の次の24年パリ五輪を目指したい」と大きな目標を明かした。

 両角速監督(52)は、最大限の賛辞とともに卒業生を送り出した。「1学年下の世代に比べると、派手な選手はいなかったが、堅実な選手が多かった。主務の木村大周、学生コーチの平山知暉たちスタッフの役割も大きかった。東海大の歴史をつくった世代だ。卒業、おめでとう」

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